介護の事故防止(安全管理)研修は施設だけ義務?減算5単位/日と担当者
更新日:2026-07-04・約3分で読めます
介護の事故防止(リスクマネジメント)の委員会・指針・研修・安全対策担当者は「介護保険施設」に義務づけられています。在宅系はどこまで必要か、未実施の減算はいくらか、加算との違いは——一次資料の裏取り範囲で整理します。
委員会・指針・研修・担当者の義務は「介護保険施設」が対象
事故発生の防止のための体制整備——事故防止検討委員会の開催、指針の整備、事故報告・分析の体制、研修の実施、そして安全対策担当者の配置——は、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院といった「介護保険施設」に義務づけられています。
一方、通所系・訪問系・多機能系などでは、これらの委員会・指針・研修・担当者の設置までは義務ではありません。ただし、事故が起きた場合の対応・記録・市町村や家族への報告・損害賠償は、すべてのサービスに共通の義務です。「施設ではないから事故対応は不要」ということにはなりません。
研修の頻度と、安全対策担当者の位置づけ
施設で義務となる事故防止研修の頻度は、解釈通知(老企第43号)で年2回以上+新規採用時とされています。委員会は定期的に開催します。
安全対策担当者は、令和3年度改定で新たに配置が求められた役割で、事故防止の取り組みを組織的に進める中心となります(配置には6か月の経過措置が設けられていました)。
研修で扱うテーマは、介護現場で起こりやすい事故——転倒・転落、誤嚥・窒息、誤薬、離設(無断外出)、送迎中の事故など——の予防と、発生時の初期対応が中心になります。ヒヤリハットを職員間で共有し、「なぜ起きたか」を分析して手順の改善につなげる流れを、研修を通じて定着させることが目的です。
- 研修:年2回以上+新規採用時(介護保険施設)。
- 委員会:定期的に開催。
- 担当者:安全対策担当者を配置(介護保険施設)。
未実施の減算:安全管理体制未実施減算は5単位/日
事故防止の体制整備を怠った場合、「安全管理体制未実施減算」として1日あたり5単位が減算されます。令和3年4月に新設されたもので、対象は介護保険施設です。
まぎらわしいのが「安全対策体制加算」です。これは外部研修を受けた安全対策担当者を配置するなどの要件を満たしたときに入所時に1回20単位を算定できる“加算”で、体制未実施の“減算”とは別物です。義務(減算の対象)と加算を切り分けて理解しておきましょう。
事故が起きたときの対応は「全サービス共通」の義務
委員会・指針・研修・担当者の体制整備は施設が対象ですが、実際に事故が発生したときの対応は、施設か在宅かを問わずすべてのサービスに共通の義務です。通所・訪問・多機能などでも、次の対応と記録は欠かせません。
- 事故の状況と、とった処置を記録する。
- 速やかに市町村、利用者の家族等へ連絡する。
- 賠償すべき事故のときは、損害賠償に誠実に対応する。
- 事故の原因を分析し、再発防止に努める。
記録として残すもの
研修を実施したら、いつ・誰が・何を学んだかを記録に残します。あわせて、ヒヤリハットや事故の報告・分析の記録を蓄積し、再発防止策が委員会で検討されていることを示せるようにしておくと、運営指導で体制の実効性を説明できます。
- 研修の実施記録・出席簿。
- ヒヤリハット/事故報告書と、その分析・再発防止策。
- 委員会の議事録(検討の経過)。
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