介護の法定研修まとめ|類型別の回数・新規採用時・委員会・減算の一覧(2026年版)
更新日:2026-10-27・約18分で読めます
介護の法定研修は、虐待防止・身体拘束・感染症・BCP・事故防止などの分野と、サービス類型の組み合わせで、年に何回か・新規採用時にも行うか・委員会が要るか・行わないと減算かが変わります。施設系・居住系・短期入所系・多機能系・通所系・訪問系・居宅介護支援・福祉用具貸与の類型別に、回数と新規採用時と委員会と減算を一覧にし、各類型の詳しい記事へつなぎました(2026年10月時点・国の通知とQ&Aで確認)。
まず結論:法定研修は「分野×サービス類型」で決まる
介護保険の運営基準(厚生労働省令)は、虐待防止・身体的拘束等の適正化・感染症の予防とまん延防止・業務継続計画(BCP)・事故発生の防止などの分野で、従業者への研修(または研修を含む措置)を事業所に求めています。ただし「法定研修」という名前の一覧が法令にあるわけではありません。どの分野が義務か、年に何回か、新規採用時にも行うか、委員会が要るか、行わないと減算かは、分野とサービス類型の組み合わせで変わります。
条文は研修を「定期的に」実施すると書くだけで、回数と新規採用時の扱いは解釈通知(国の通知)が定めています。他の類型向けの資料をそのまま使うと、要らない体制を作ったり、必要な年2回を落としたりしがちです。この記事は全類型の入口として、回数・新規採用時・委員会・減算を類型別に並べ、詳しい根拠は各類型の記事につなぎます。
- このサイトが扱う8類型(施設系・居住系・短期入所系・多機能系・通所系・訪問系・居宅介護支援・福祉用具貸与)すべてで、研修が要るのは虐待防止・感染症・BCPの3つです。
- 年2回以上になるのは、施設系・居住系の虐待防止・感染症・BCP(感染症とBCPは訓練も)と、施設系・居住系・短期入所系・多機能系の身体拘束です。短期入所系・多機能系の虐待防止・感染症・BCPは年1回以上です。
- 事故防止の委員会・研修は、介護保険施設(特養・老健・介護医療院など)だけの義務です。
- 研修や計画が欠けて減算になるのは、虐待防止・身体拘束・BCP・事故防止(安全管理体制)の4つです。国のQ&Aがさかのぼって減算すると示しているのはBCPだけです。
- 新規採用時の書き方は「必ず」「実施すること」「望ましい」の3段階あり、分野と類型で違います。
「法定研修」「必須14項目」とは何か:ネット上の一覧との違い
「法定研修」は法令の用語ではありません。この記事では、運営基準が研修の実施、または研修を含む措置を事業所に義務づけている分野を指します。研修だけが単独で求められる分野は少なく、委員会・指針・担当者・記録とセットの分野が多いのが特徴です。たとえば虐待防止は、委員会・指針・研修・担当者の4つのうち一つでも欠けると減算の対象です。
ネットで見かける「研修 必須14項目」のような一覧には、介護サービス情報公表制度の調査票(運営情報)に並ぶ研修の記録の項目を数えたものがあります。調査票は記録が「あり」か「なし」かを答える様式で、研修の回数は書かれていません。その中には、通所介護では研修の実施までは運営基準で義務づけられていない項目(身体的拘束・事故防止・プライバシー保護など)も含まれます。「研修14項目」という数え方は調査票にも法令にも書かれていません(通所介護の記事で確認した範囲)。義務かどうかと回数は、運営基準と解釈通知で決まります。
義務の数も類型で違います。訪問介護は、研修が義務なのは虐待防止・感染症・BCPの3つです。介護保険施設(特養・老健・介護医療院)は、虐待防止・身体拘束・感染症・BCP・事故防止の5分野の研修と、認知症介護基礎研修を受講させる措置の、あわせて6分野です。通所介護は、ハラスメント対策の措置と研修機会の確保を含めて6分野で、訓練は感染症・BCP・非常災害の3つが義務です。数え方(研修の義務だけか、措置を含むか)をそろえてから比べてください。
- 研修が義務:虐待防止、感染症、BCP、身体拘束(施設系・居住系・短期入所系・多機能系)、事故防止(介護保険施設)。
- 受講させる措置が義務:認知症介護基礎研修(無資格で介護に直接携わる職員が対象。対象外の類型あり)。
- 措置が義務で研修は手段:ハラスメント対策(パワハラ・セクハラ・カスタマーハラスメント)、研修機会の確保(倫理・法令遵守などをこの枠で行う)。
- 研修の義務ではないもの:個人情報(秘密保持・安全管理措置が義務で、研修は教育の代表的な方法)、褥瘡予防(体制整備が義務で、研修は例示)、看取り(一部の加算の算定要件)。
早見表①:類型別の研修の回数(虐待防止・身体拘束・感染症・BCP・事故防止)
回数は解釈通知(介護保険最新情報 Vol.934。身体拘束の短期入所系・多機能系は Vol.1213、虐待防止の類型別の回数は Vol.1345 のQ&A)で確かめた値で、類型別の各記事と同じです。感染症とBCPは訓練も同じ回数です。自事業所の類型の行を選んで読んでください。
- 施設系(特養・地域密着型特養・老健・介護医療院):虐待防止・身体拘束・事故防止は年2回以上。感染症とBCPは研修・訓練とも年2回以上。5分野すべて年2回以上です。
- 居住系(特定施設・地域密着型特定施設・グループホーム):虐待防止・身体拘束は年2回以上。感染症とBCPは研修・訓練とも年2回以上。事故防止の委員会・研修の条文はありません(事故が起きた時の対応は義務です)。
- 短期入所系(短期入所生活介護・短期入所療養介護):虐待防止は年1回以上、身体拘束は年2回以上、感染症とBCPは研修・訓練とも年1回以上。年2回は身体拘束だけです。
- 多機能系(小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護):短期入所系と同じ。虐待防止は年1回以上、身体拘束は年2回以上、感染症とBCPは研修・訓練とも年1回以上です。
- 通所系(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護・通所リハビリテーション):虐待防止・感染症・BCPが年1回以上(感染症とBCPは訓練も)。身体拘束は研修の定めがなく、原則禁止と記録が義務です。
- 訪問系(訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・定期巡回・随時対応型訪問介護看護など):通所系と同じで、虐待防止・感染症・BCPが年1回以上。身体拘束は研修の定めなし。訪問介護では登録ヘルパーも研修の対象です。
- 居宅介護支援:虐待防止・感染症・BCPが年1回以上(感染症とBCPは訓練も)。身体拘束は研修の定めなし。1人の事業所でも省略はできません。
- 福祉用具貸与:虐待防止は訪問介護、BCPは訪問入浴介護の通知と同様とされ、訪問系と同じ年1回以上の区分です。特定福祉用具販売も、虐待防止の措置は貸与と同じです。
- 回数の定めがない分野:倫理・法令遵守(研修機会の確保)、個人情報、ハラスメント対策(措置義務)、褥瘡予防、看取り。計画表に年1回で置く場合は、法定の回数ではなく計画の例と明記します。
早見表②:新規採用時の研修は3段階。虐待防止はどの類型も「必ず」
省令には「新規採用時」の語がなく、解釈通知が分野と類型ごとに書き分けています。感染症とBCPを一括りに「新規採用時が望ましい」とは書けません。入職手続きのチェックリストは、次の区分で作ります。
- 「必ず…実施することが重要」:虐待防止(どの類型も)、身体拘束(施設系・居住系・短期入所系・多機能系)、事故防止(特養・老健・介護医療院)、感染症(施設系)。
- 「実施すること」:感染症(居住系)、BCP(施設系・居住系。「別に研修を」)。
- 「望ましい」:感染症とBCP(短期入所系・多機能系・通所系・訪問系・居宅介護支援など)。グループホームは感染症・BCPも「実施すること」の書き方なので、多機能系の資料を流用する時は注意してください。
- 受講の措置:認知症介護基礎研修は、無資格で介護に直接携わる職員が、採用後1年を経過するまでに受講します。
- 定めがないもの:個人情報・倫理・ハラスメント対策は、措置は義務でも「新規採用時に研修」の定めはありません。
早見表③:委員会は類型で違う。研修の回数とは別に確認する
研修の頻度表だけを見て「この分野は年何回」と覚えると、委員会の要否を見落とします。頻度は省令の条文に、構成や進め方は解釈通知に書かれています。
- 虐待防止検討委員会:全サービス。「定期的に」開催し、回数の定めはありません。
- 感染対策委員会:全サービス。施設系(特養・老健・介護医療院)はおおむね3か月に1回以上、居住系を含むそれ以外はおおむね6か月に1回以上です。居住系は研修・訓練が年2回でも、委員会は6か月です。
- 身体的拘束等適正化検討委員会:施設系・居住系・短期入所系・多機能系で3か月に1回以上。訪問系・通所系・居宅介護支援・福祉用具貸与には委員会の規定がありません。
- 事故防止の委員会:介護保険施設(特養・老健・介護医療院)だけ。「定期的に」開催で、回数の定めは確認できていません。居住系・短期入所系・多機能系にはありません。
- 生産性向上の委員会:施設系・居住系・短期入所系・多機能系。令和9年(2027年)3月31日までは努力義務です。
- 委員会がないもの:BCP(計画・周知・研修・訓練・見直しが義務)とハラスメント対策(方針の明確化などの措置)。5種類とも、テレビ電話装置等を使って開けます。詳しくは「介護事業所の委員会の進め方まとめ」を参照してください。
分野ごとの要点と、詳しい記事
各分野の位置づけを短くまとめます。条文の番号や原文の言い方は、関連記事の一覧にあるテーマ別・類型別の記事で確かめられます。
- 高齢者虐待防止:全サービスで委員会・指針・研修・担当者の4つが義務で、令和6年4月から完全義務です。研修は施設系・居住系が年2回以上、それ以外は年1回以上で、新規採用時に必ず行います。一つでも欠けると所定単位数の1%の減算です。
- 身体的拘束等の適正化:緊急やむを得ない場合(切迫性・非代替性・一時性の3要件)を除き全サービスで原則禁止で、行う場合は態様・時間・心身の状況・理由を記録します。委員会・指針・研修が義務なのは施設系・居住系・短期入所系・多機能系で、研修は年2回以上+新規採用時です。
- 感染症の予防とまん延防止:全サービスで委員会・指針・研修・訓練が義務です。感染症のBCPの研修・訓練は、感染症の研修・訓練と一体で行ってもよいと通知にあります。感染症の研修未実施そのものへの減算は、確認した国の資料にはありません。
- 業務継続計画(BCP):感染症と災害の両方の計画の策定、周知、研修・訓練、定期的な見直しが義務です。減算の要件は計画が未策定かどうかで、研修・訓練をしていないこと自体は要件ではありません(令和6年度Q&A 問164)。
- 事故発生の防止:委員会・指針・研修・担当者の体制が義務なのは介護保険施設だけです。地域密着型特養は省令に委員会と研修の定めがありますが、通知の研修の文言は確かめきれていないため、回数と新規採用時の扱いは指定権者に確認します。事故が起きた時の連絡・記録・賠償は全サービスの義務です。
- ハラスメント対策:パワハラ・セクハラの防止措置は運営基準でも全サービスの義務で、研修は周知・啓発の手段です。カスタマーハラスメントは、2026年10月1日から改正労働施策総合推進法で全事業主の措置義務になりました。研修を義務づける明文はなく、回数の定めもありません。
- 認知症介護基礎研修:施設系・居住系・短期入所系・通所系・多機能系と訪問入浴介護で、無資格で介護に直接携わる職員に受講させる措置が義務です。訪問系(訪問入浴を除く)・居宅介護支援・福祉用具貸与は対象外で、定期巡回にも規定がありません。未受講を理由とする減算は確認できていません。
- 倫理・法令遵守:運営基準の「研修の機会の確保」の枠で行います。「倫理研修」という名前の研修を決まった回数行う義務はありません。福祉用具貸与の条文は「福祉用具に関する適切な研修の機会」と書き方が違います。
- 個人情報・褥瘡予防・看取り:個人情報は秘密保持と安全管理措置が義務で、研修は従業者の教育の代表的な方法です。褥瘡予防は特養・地域密着型特養・老健・介護医療院の体制整備が義務で、研修は通知の例示です。看取りは看取り介護加算などの算定要件で、加算を算定しない事業所に研修の義務はありません。
例外に注意:同じ類型でも率や対象が分かれるところ
「施設・居住系」と「その他」の二分法で足りない例外があります。たとえば身体拘束廃止未実施減算は、短期入所系・多機能系は委員会・指針・研修の義務が施設・居住系と同じ水準でも、率は1%で、施設・居住系の10%(1日につき)とは別区分です。逆にBCPは、短期入所系も多機能系も1%の「その他」区分で、3%になるのは施設・居住系だけです。同じ括りでも減算の種類によって区分が分かれるため、自事業所の値は各類型の記事で確認してください。
- 認知症グループホームの短期利用、特定施設の外部サービス利用型・短期利用:身体拘束廃止未実施減算は10%/日でなく1%で、令和7年4月1日から適用です(算定構造の注)。通常の入居・特定施設入居者生活介護費は10%のままです。
- 訪問入浴介護:訪問系ですが、認知症介護基礎研修の受講措置は義務です(訪問介護にはありません)。
- 福祉用具貸与:虐待防止の義務は令和6年4月からですが、減算だけ3年の経過措置があり、令和9年4月1日から適用です。特定福祉用具販売は虐待防止・BCPの2つの減算の対象外です。
- 通所リハビリテーション・訪問看護・訪問リハビリテーション:令和6年度改定の施行が6月1日だったため、虐待防止の減算の開始月が令和6年6月です(この開始月は、改定事項の「施行時期」から読んだもので、減算の開始月を個別に書いた国の資料は、確認した範囲では見当たりません)。BCPの減算は、通所リハビリテーションが令和6年6月、訪問看護・訪問リハビリテーション・訪問介護・訪問入浴介護・福祉用具貸与・居宅介護支援・定期巡回などが令和7年4月です。
共通の作法:年間計画・まとめ方・記録・確認テスト・運営指導
研修の中身は分野ごとに違いますが、進め方と記録は共通です。年間研修計画の作成そのものを求める定めは、確認した省令と解釈通知には見当たりませんでした。それでも計画が要るのは、回数の定めと、運営指導の確認文書が「研修の計画及び実績がわかるもの」などを挙げているからです。自事業所の類型の行から研修・訓練・委員会を書き出し、年2回のものは半年あけて、年1回のものは1つの月に置いていくと組めます。月の配置は法令の定めではなく当社の提案です。
まとめて行ってよいと通知が書いているのは、感染症のBCPと感染症対策の研修・訓練、災害のBCPの訓練と非常災害対策の訓練の2組です。虐待防止と身体拘束の研修を1つの時間で兼ねてよい、という記述は見当たりません。同じ日に行う場合も、内容ごとに時間を区切り、記録は研修ごとに分けます。
記録は、解釈通知が虐待防止・感染症・BCP・事故防止・身体拘束の研修について、実施内容を記録することを求めています。様式を定めた国の規定は確認できていません。いつ・誰が・何を行い・誰が参加したかを実施記録と出席簿に残し、レジュメや委員会の議事録とあわせて保管します。身体的拘束等を行った場合の記録と事故の記録は、完結の日から2年間の保存が義務です。確認テストを求める規定は見当たらず任意ですが、理解を確かめた記録として使えます。
運営指導では、研修の計画と実績、感染症・BCPの研修と訓練の実施状況、委員会の開催状況と結果などが確認文書に挙がっています。研修の記録は原則として、運営指導を行う年度の前年度から直近までの実績が対象です。
減算の一覧:率・いつから・さかのぼるか
研修・指針・計画が欠けていて減算になるのは、次の4つです。いずれも、虐待や事故が実際に起きたかどうかではなく、決められた措置を講じているかどうかで判定されます。率は平成30年度・令和3年度・令和6年度の改定資料と算定構造、始まる月は留意事項通知、さかのぼりは国のQ&Aと運営指導マニュアルによります。詳しくは「研修・指針をしないとどうなる?介護の減算と遡り一覧」で整理しています。
- 高齢者虐待防止措置未実施減算【所定単位数の1%】居宅療養管理指導・特定福祉用具販売を除く全サービス。令和6年4月から(福祉用具貸与は令和9年4月1日から)。委員会・指針・研修・担当者のどれか一つでも欠けると対象。さかのぼらず、見つかった日の属する月が「事実が生じた月」で、翌月から、最低3か月(改善が認められた月まで)続きます。
- 身体拘束廃止未実施減算【施設系・居住系は所定単位数の10%/日、短期入所系・多機能系は1%】記録がない、または委員会(3か月に1回以上)・指針・研修のどれかが欠けると対象で、身体的拘束等をしていなくても対象です。短期入所系・多機能系は令和7年4月1日から。さかのぼらず、期間の仕組みは虐待防止と同じです。
- 業務継続計画未策定減算【施設系・居住系は3%、その他は1%】感染症・災害のどちらかの計画が未策定で、計画に従った措置も講じていない場合。令和6年4月から(訪問系・福祉用具貸与・居宅介護支援は令和7年4月から)。国のQ&Aは、運営指導で見つかった時点ではなく「基準を満たさない事実が生じた時点」までさかのぼるとしています。
- 安全管理体制未実施減算【1日につき5単位】介護保険施設(特養・老健・介護医療院)。事故発生防止の指針・報告と分析の体制・委員会と研修・担当者のどれかを講じていない場合。令和3年度改定で新設。さかのぼるかどうかは、国の資料では明記されていません。
- 研修だけをしていない場合:虐待防止・身体拘束(対象の類型)・事故防止(介護保険施設)の研修は、措置の一つなので減算の対象です。BCPの研修・訓練や感染症の研修は、確認した国の資料の範囲では減算の要件ではありません。ただし運営基準の義務なので、運営指導で改善を求められます。
2026年・2027年に変わること
2026年度(令和8年度)の介護報酬改定は、介護職員等処遇改善加算の拡充(6月)と、食費の基準費用額の引き上げ(8月)が内容の期中改定で、厚生労働省の改定資料に、上の4つの減算の率や要件を見直す記載はありません(2026年10月時点)。研修に関わる変更は次のとおりです。
- 2026年10月1日:カスタマーハラスメント対策が全事業主の措置義務になりました(改正労働施策総合推進法)。介護報酬の減算ではなく、労働法上の義務です。研修は周知・啓発の手段の一つで、回数の定めはありません。
- 2027年(令和9年)3月31日まで:生産性向上の委員会は努力義務です。4月1日から本来の義務になります。
- 2027年(令和9年)4月1日:福祉用具貸与に高齢者虐待防止措置未実施減算(1%)が適用されます。居宅療養管理指導の、虐待防止の措置とBCPの策定等の義務づけの経過措置も終わります。
- 令和9年度:次の介護報酬改定が予定されています。率や要件が変わる場合は、改定資料で確認してください。
よくある誤解
回数や対象を取り違えやすい点を、誤解の形で整理します。
- 「必須14項目は全部が義務」:公表制度の調査票の項目を数えたもので、運営基準の義務とは一致しません。
- 「施設向けの計画を訪問・通所にそのまま使ってよい」:回数も委員会も違います。要らない委員会を作る手間になったり、逆に必要な措置が漏れたりします。
- 「年2回は全部の研修」:短期入所系と多機能系で年2回なのは身体拘束だけです。
- 「新規採用時は全部必ず」:虐待防止はどの類型も「必ず」ですが、感染症とBCPは類型により「必ず」「実施すること」「望ましい」に分かれます。
- 「研修をしていないと必ず減算」:研修が減算に直結するのは虐待防止・身体拘束・事故防止です。BCPは計画の未策定、感染症の研修には減算がありません。
- 「福祉用具貸与の虐待防止は令和9年4月まで義務ではない」:義務は令和6年4月からで、遅れているのは減算だけです。
- 「看取り・褥瘡・個人情報の研修は法定」:位置づけが違います。看取りは加算の要件、褥瘡と個人情報は体制整備や安全管理措置が義務で、研修は手段や例示です。
無料のキットと一覧表で、自事業所の分だけ確認する
サービス類型を選ぶと義務研修の一覧と年間計画表が出る「義務研修一覧表」や、テーマ別の研修キット(読み上げ用レジュメ・確認テスト・実施記録様式・出席簿)は、登録不要・無料で表示・印刷できます。記事の下の「関連する無料キット・一覧」から開けます。入力内容はお使いのブラウザの中にだけ保存されます。
本記事の一覧は、類型別・テーマ別の各記事で国の通知やQ&Aと照合した値を、2026年10月27日に突き合わせたものです。法令・介護報酬は改定されます。最終的な適用は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)にご確認ください。
この記事で確認した一次資料
回数・新規採用時・委員会は、運営基準(e-Gov 法令検索の平成11年厚生省令第37号・第38号・第39号・第40号、平成18年厚生労働省令第34号、平成30年厚生労働省令第5号)と、解釈通知の改正(介護保険最新情報 Vol.934・Vol.1213)、国のQ&A(令和6年度 Vol.1・Vol.1345)で、類型別・テーマ別の各記事が2026年10月26日までに原文を確認した内容です。減算の率と始まる月は、令和6年度の改定事項・算定構造・留意事項通知、さかのぼりは国のQ&Aと運営指導マニュアル(令和6年7月改訂)、2026年・2027年の変更は令和8年度介護報酬改定の資料とカスタマーハラスメント対策の厚生労働省リーフレット・指針によります。リンクは記事末尾の「出典(一次資料)」です。
本記事の作成にあたり、類型別の各記事との食い違いがないかを2026年10月27日に確認しました。表現や数値が各記事と異なる場合は、各類型の記事(原文を引用した記事)を優先してください。
この記事を書いたチームは、note でも介護の仕事で考えたことを書いています。note をフォローする
出典(一次資料)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)
- 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
- 介護保険最新情報 Vol.934(令和3年度改定・解釈通知改正)
- 介護保険最新情報 Vol.1213(令和6年度改定・解釈通知等改正)
- 介護保険最新情報 Vol.1225(令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)・令和6年3月15日)
- 介護保険最新情報 Vol.1345(令和6年度改定 Q&A)
- 厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)
- 厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」(PDF)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和6年4月改定・PDF)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第36号)令和6年度改正の新旧対照表(別紙1・抄)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第40号)令和6年度改正の新旧対照表(別紙2・抄)
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」(令和6年7月改訂)
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」別添 確認項目及び確認文書(令和6年7月改訂・PDF)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(社会保障審議会介護給付費分科会 第253回 資料1・令和8年1月16日)
- 厚生労働省リーフレット「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」
- 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号・PDF)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、当社の損害賠償責任は、故意・重過失を除き購入代金の額を上限とします。