介護のBCP訓練のやり方(感染症・災害)|頻度・一体実施・記録の残し方
更新日:2026-07-10・約4分で読めます
BCP(業務継続計画)は策定するだけでは義務を満たしません。周知・研修・訓練・定期的な見直しまでが一連の義務です。訓練は誰が・どのくらいの頻度で・どう回せばよいのか、一次資料の裏取り範囲で整理します(未策定減算については別記事「BCP未策定減算はいくら?」をご覧ください)。
まず結論:BCPは「策定」だけでなく「訓練」までが義務
BCP(業務継続計画)は、感染症と自然災害の両方について、策定・周知・研修・訓練・定期的な見直しまでが一連の義務です。計画書を作って棚にしまっておくだけでは義務を満たしません。運営指導(実地指導)では、訓練が実際に行われているか、その記録が残っているかが確認されます。
減算(業務継続計画未策定減算)は「策定の有無」で判定されますが、運営基準そのものは訓練の実施までを求めています。減算率・経過措置の詳しい解説は、別記事「BCP未策定減算はいくら?」をご覧ください。本記事では「訓練をどう回すか」に絞って整理します。
訓練の頻度:サービス類型で異なる
BCPの研修・訓練の頻度は、サービス類型によって次のように分かれます。
- 施設系:研修・訓練とも年2回以上(+新規採用時研修)。
- 居住系(特定施設・認知症グループホーム):研修・訓練とも各年2回以上+新規採用時研修。
- 通所系・訪問系・居宅介護支援・福祉用具貸与・短期入所系・多機能系:研修・訓練とも各年1回以上。
一体実施で負担を減らす——感染症BCPは感染症訓練と、災害BCPは非常災害訓練と
感染症BCPの研修・訓練は、感染症対策(委員会・指針・研修・訓練)の研修・訓練と同じ機会に一体で実施できます。同様に、災害BCPの訓練は、非常災害対策訓練と一体で実施できます。それぞれ別々に日程を組むと現場の負担が大きくなるため、年間計画表を作るときに同じ月へまとめて配置するのが実務的です。
一体実施する場合も、「感染症BCPの訓練」「災害BCPの訓練」それぞれの実施記録として残せるよう、どの計画に基づく訓練かを記録に明記しておくと、運営指導で説明しやすくなります。
訓練の進め方——机上訓練から始め、自事業所の実情に即して
訓練の具体的なやり方(机上訓練か、実動訓練か、想定するシナリオの詳細など)について、本記事で断定的な手順を示すことは避けます。感染症の発生時対応・災害時の初動対応を、実際に動きながら(または話し合いながら)確認するのが訓練の基本的な考え方ですが、事業所の規模・利用者の状態・立地条件によって適切なやり方は異なります。詳しい進め方は、厚生労働省が公開しているBCP作成支援の資料もご参照のうえ、必要に応じて指定権者にもご確認ください。
厚生労働省のBCP作成支援の資料では、いきなり大掛かりな実動訓練を行うのではなく、まず職員間で計画を読み合わせる机上訓練(シミュレーション)から始め、段階的に実動に近い形へ発展させる進め方が例として紹介されています。自事業所にどの進め方が適切かは、規模・利用者の状況を踏まえて判断し、必要に応じて指定権者にご確認ください。
訓練後に記録すること
訓練を実施したら、日時・参加者・想定したシナリオ(感染症の発生想定/災害の想定内容)・気づいた課題・今後の改善点を記録に残します。BCPは一度作って終わりではなく、訓練で見えた課題を踏まえて定期的に見直すことが前提です。次回の計画見直し・研修内容に、訓練で出た気づきを反映させておきましょう。
- 実施日時・参加者・実施形式(机上/実動)。
- 想定したシナリオ(感染症の発生想定・災害の想定内容)。
- 訓練で見えた課題・改善点。
- 次回の計画見直し・研修への反映内容。
無料で使えるBCP研修キットと年間計画表
本サイトの「BCP(業務継続計画)研修キット」には、読み上げレジュメ・確認テスト10問・実施記録様式・出席簿がそろっています。サービス類型を選べば、BCPを含む義務研修が頻度に応じて月に自動配置された年間計画表も作れます。登録不要・無料で、入力はブラウザ内にのみ保存され、外部には送信されません。
法令・介護報酬は改定されます(本記事は2026年7月時点)。最終的な適用は指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へご確認ください。
出典(一次資料)
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