訪問入浴介護の法定研修 必須項目 2026|認知症介護基礎研修は対象?年何回・減算2つとさかのぼり
更新日:2026-10-26・約18分で読めます
訪問入浴介護(介護予防を含む)で運営基準が研修と訓練を義務づけているのは、高齢者虐待防止・感染症・業務継続計画(BCP)の3分野で、いずれも年1回以上です。訪問系では唯一、認知症介護基礎研修を受講させる措置の対象にもなります。身体拘束は禁止と記録だけです。委員会の頻度、減算(虐待防止とBCPの2つ・いずれも1%)とさかのぼり、1回3人で訪問するチームの受講管理、2026年10月のカスハラ対策までを、省令・解釈通知・算定構造・国のQ&Aの原文で整理しました(2026年10月時点)。
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まず結論:研修が義務なのは3分野と認知症介護基礎研修。訪問系で基礎研修の対象は訪問入浴だけ
訪問入浴介護の運営基準は平成11年厚生省令第37号の第3章(第44条から)で、研修に関わるのは第50条・第53条の2と、第54条が準用する条文です。介護予防訪問入浴介護は、平成18年厚生労働省令第35号の第3章に同じ内容の条文があります。研修と訓練が義務なのは、①高齢者虐待防止、②感染症の予防とまん延の防止、③業務継続計画(BCP)の3分野で、回数は解釈通知が示し、いずれも年1回以上です。感染症とBCPは訓練も各年1回以上です。
加えて、④看護師・介護福祉士などの資格を持たない従業者に認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置も義務です。訪問介護の第30条第3項にはこの文言がなく、訪問入浴介護の第53条の2第3項にはあります。訪問介護向けの資料の流用は、受講の抜けにつながります。
身体的拘束等は、緊急やむを得ない場合を除く禁止と、行う場合の記録が義務で(第50条第3号・第4号)、委員会・指針・研修の定めはありません。事故の発生の防止のための委員会・研修も、訪問入浴介護にはありません。
減算は2つで、高齢者虐待防止措置未実施減算とBCP未策定減算のどちらも所定単位数の1%です(令和6年度の算定構造)。さかのぼって減算されるのはBCPだけで、虐待防止は見つかった月が起点です。
早見表:義務の研修・措置の条番号・回数・新規採用時・減算
条番号は平成11年厚生省令第37号、カッコ内は介護予防の平成18年厚生労働省令第35号です。虐待防止・感染症・BCP・認知症介護基礎研修は、令和3年度改定で義務化され、3年の経過措置が令和6年3月31日で終わり、令和6年4月から完全義務です(令和3年厚生労働省令第9号 附則第2条〜第5条)。
- 高齢者虐待防止【義務】第54条で準用する第37条の2(第53条の10の2):委員会(定期的)・指針・研修・担当者の4つ。研修は年1回以上と、新規採用時に必ず。どれかが欠けると所定単位数の1%減算。
- 感染症の予防とまん延の防止【義務】第54条で準用する第31条第3項(第53条の3第3項):委員会(おおむね6月に1回以上)・指針・研修・訓練。研修・訓練は各年1回以上で、新規採用時の研修は「望ましい」。確認した範囲では減算なし。
- 業務継続計画(BCP)【義務】第54条で準用する第30条の2(第53条の2の2):感染症と災害の計画の策定、周知、研修・訓練(各年1回以上)、定期的な見直し。新規採用時は別に研修するのが「望ましい」。未策定は所定単位数の1%減算。
- 認知症介護基礎研修【受講させる措置が義務】第53条の2第3項後段(同条同項):資格を持たない従業者が対象。新しく採用した人は採用後1年を経過するまでに受講させます。減算なし。
- ハラスメント対策【措置義務】第53条の2第4項(同条同項):方針の明確化等の措置。研修は周知・啓発の手段の一つで、回数の定めなし。研修の機会の確保【義務】は同条第3項前段で、回数の定めはなく、倫理・法令遵守の研修はこの枠です。
- 身体的拘束等【記録が義務】第50条第3号・第4号(第57条第3号・第4号)、事故発生時の対応【義務】第54条で準用する第37条(第53条の10):どちらも委員会・研修の定めなし(後の節)。
根拠:省令の条文と「準用」の読み方
第54条は、第8条から第19条まで、第21条、第26条、第30条の2から第34条まで、第35条から第38条までを準用し、「訪問介護員等」を「訪問入浴介護従業者」と読み替えます。BCP(第30条の2)、衛生管理等(第31条)、事故発生時の対応(第37条)、虐待の防止(第37条の2)などは、ここから訪問入浴介護に及びます。勤務体制の確保等は準用でなく第53条の2に独自の条文があり、第3項が研修の機会の確保と認知症介護基礎研修、第4項がハラスメント対策です。どの条文も研修は「定期的に」とだけ書かれ、回数は解釈通知が示します。
解釈通知(老企第25号。令和3年度の改正=介護保険最新情報 Vol.934)は、虐待の防止を「訪問介護と同様であるので、第3の一の3の(31)を参照」とし、感染症とBCPは訪問入浴介護の項に直接書いています。参照先の文言は、虐待防止が「定期的な研修(年1回以上)を実施するとともに、新規採用時には必ず虐待の防止のための研修を実施することが重要」、感染症が「定期的な教育(年1回以上)を開催するとともに、新規採用時には感染対策研修を実施することが望ましい」、BCPが「新規採用時には別に研修を実施することが望ましい」です。新規採用時の書き方は、虐待防止だけが「必ず」です。
非常災害対策の条文(通所介護の第103条)は、訪問入浴介護の章にも準用の範囲にもなく、災害への備えはBCPで行います。介護予防訪問入浴介護は1回の訪問の人数だけが違い、訪問入浴介護は看護職員1人と介護職員2人(第50条第6号)、介護予防は看護職員1人と介護職員1人(第57条第6号)です。
委員会は2つ:感染症と虐待防止。身体拘束・事故防止・生産性向上の委員会は訪問入浴にない
訪問入浴介護の委員会は、感染症と虐待防止の2つです。テレビ電話装置等を使って開けます(省令)。
- 感染対策委員会:おおむね6月に1回以上の定期開催に加え、流行期などは必要に応じて随時開きます。感染対策の知識を有する者を含む幅広い職種で構成し、感染対策担当者を決めておきます(解釈通知)。
- 虐待防止検討委員会:定期的に開催します(回数の定めなし)。管理者を含む幅広い職種で構成し、結果を従業者に周知徹底します(解釈通知)。
- 共通:どちらも、ほかの会議体と一体的に設置・運営して差し支えなく、ほかのサービス事業者との連携等により行うことも差し支えないとされています(解釈通知)。
- 訪問入浴介護にない委員会:身体的拘束等の適正化、事故の発生の防止、生産性向上の委員会は、訪問入浴介護の基準にありません。
感染症の研修の中身:浴槽と器具の消毒、訪問先での標準予防策
解釈通知は、研修の内容を、感染対策の基礎的内容等の適切な知識の普及・啓発と、事業所の指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的なケアの励行としています。事業所内で行って差し支えなく、実施内容は記録します。
- 条文にある訪問入浴の衛生:第50条第7号は、利用者の身体に接触する設備、器具その他の用品は、サービスの提供ごとに消毒したものを使用すると定めています。第31条は、従業者の清潔の保持と健康状態の管理(第1項)と、浴槽その他の設備及び備品等の衛生的な管理(第2項。読み替え後)を求めます。
- 指針の内容:通知は、平常時の対策(事業所内の衛生管理、手洗いや標準的な予防策)と、発生時の対応(感染拡大の防止、医療機関・保健所・市町村との連携、行政等への報告)を挙げています。
- 訪問系の手引き:厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き」(第3版・令和5年9月)の新型コロナウイルス感染症の章は、訪問系について、感染の疑いがある利用者は担当職員を分けるか最後に訪問すること、サービス開始時と終了時の手指衛生を挙げ、介助が必要な人(訪問入浴介護を利用する人を含む)は原則として清拭で対応するとしています。
- 題材の例(当社の整理):器具と浴槽の消毒手順を班の全員でそろえる。手袋とマスクの着脱と手指衛生を実演する。利用者の発熱に気づいたときに入浴を見合わせて事業所へ連絡する流れを確かめる。
BCPの研修・訓練の中身:感染症と災害の両方。災害の訓練は単独の枠
解釈通知は、BCPに記載する項目として、感染症は平時からの備え・初動対応・感染拡大防止体制の確立、災害は平常時の対応(ライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄等)・緊急時の対応(業務継続計画発動基準、対応体制等)・他施設及び地域との連携を挙げ、災害は地域によって異なるため実態に応じて設定するとしています。
- 研修と訓練:研修は、感染症と災害のBCPの具体的内容を職員間で共有するもの、訓練(シミュレーション)は、役割分担の確認や、感染症や災害が起きた場合に実践するケアの演習等です。机上を含めて手法は問わず、机上と実地を適切に組み合わせるのが適切とされます。研修・訓練は全ての従業者が参加できるようにすることが望ましいとされています。
- 一体で行えるもの:感染症のBCPの研修・訓練は、感染症の研修・訓練と一体的に実施してよいとされています。災害の訓練を非常災害対策の訓練と一体で、という記述は通所介護などの通知にありますが、訪問入浴介護の通知には見当たらず、条文自体もないため、災害の訓練は単独の枠で計画します。
- 当てはめる例(当社の整理。通知に訪問入浴向けの記載はありません):浴槽や給湯・給水の機材を運ぶ車両を使うサービスなので、災害時に訪問を続けるか中止するかの基準、断水や停電のときの対応、車両の燃料の確保、利用者宅への連絡手順を、「発動基準」や「ライフラインが停止した場合の対策」として具体化しておくと、訓練で確かめやすくなります。
1回3人で訪問するチームの受講管理:非常勤・派遣を含め、班ごとに実績を残す
訪問入浴介護は、1回の訪問を看護職員1人と介護職員2人で行うのが基本で(第50条第6号。状態が安定している場合は、主治の医師の意見を確認して看護職員に代えて介護職員を充てられます)、員数は看護職員1人以上・介護職員2人以上のうち1人以上が常勤です(第45条)。研修の対象は省令上「訪問入浴介護従業者」で、解釈通知は、雇用契約や労働者派遣契約などにより管理者の指揮命令下にある従業者を指すとしています。常勤と非常勤の区別はなく、非常勤や派遣の職員を対象から外す根拠は、確認した範囲で見当たりません。
- 名簿:常勤・非常勤・派遣を問わず、勤務表に載る全員を受講管理表に載せます。運営指導の確認文書は「従業者の勤務体制及び勤務実績がわかるもの」と「研修の計画及び実績がわかるもの」です。
- 班ごとの受講:全員が同じ日に集まれないことがあります。確認した通知に、研修を全員一斉の集合形式で行うよう求める記載は見当たらず、虐待防止は「事業所内での研修で差し支えない」、感染症も事業所内で差し支えないとされ、小規模事業所には法人内の合同開催や自治体の研修会への参加が例示されています(Q&A 問170)。日を分けて行う方法を名指しで認めた資料は確認できなかったため、回ごとに実施日・出席者・内容を記録し、迷うときは指定権者に確認してください。
- 同行訪問(OJT):同行訪問を法定の研修の回数に数えてよいかを定めた記載は、確認した通知の範囲で見当たりませんでした。数えたい場合は、日時・内容・指導者・参加者を記録し、指定権者に確認してください。
- 認知症介護基礎研修の対象者:看護師・准看護師は対象外なので、班では資格を持たない介護職員が対象です。介護福祉士、実務者研修・初任者研修の修了者、社会福祉士などは対象外です(解釈通知)。入職時に対象者を一覧に登録し、採用後1年の期限を個人ごとに管理します。
加算の要件になっている研修と会議(義務ではないが、算定するなら必要)
次は運営基準の義務ではなく、加算を算定する場合の要件です。
- 看取り連携体制加算(令和6年度に新設・1回64単位):事業所の基準に、連絡体制と訪問日時の調整、看取り期の対応方針の説明と同意に加えて、「看取りに関する職員研修を行っていること」があります(厚生労働大臣が定める施設基準 第2号の2、令和6年度の改定事項)。回数の定めはありません。
- 認知症専門ケア加算:認知症介護実践リーダー研修等の修了者の配置と、認知症ケアに関する会議の定期的な開催が要件です(加算Ⅱはさらに、職種ごとの研修計画の作成と研修の実施又は予定)。
- サービス提供体制強化加算の会議:サービス提供に当たる全ての訪問入浴介護従業者が参加するもので、一堂に会する必要はなくグループ別でよく、概要を記録します。「定期的」はおおむね1月に1回以上です(解釈通知)。これは加算の会議の話で、法定の研修を同じ扱いにしてよいという記載ではありません。
年間の組み方:月割りの例(当社の提案)
月の配置は法令の定めではなく当社の提案です。4月始まりの年度の例です。
- 4月:年間計画の確定。入職時研修(虐待防止は「必ず」、感染症とBCPは「望ましい」)。資格のない介護職員の認知症介護基礎研修の対象者と個人ごとの期限を確認する。
- 6月:虐待防止の研修と、感染症の研修・訓練(感染症のBCPと一体)。班ごとに日を分けるなら、全班の実施日を先に決めます。
- 9月:BCPの研修(感染症と災害の両方)と、災害の訓練(単独の枠)。台風・大雨の前に行います。
- 12月または1月:予備月(欠席者の補講、記録の点検、指針とBCPの見直し)。3月:年度の振り返りと翌年度の計画案。
- 委員会(別枠):感染対策=5月・11月、虐待防止=6月・12月。算定する加算がある事業所は、その研修も計画に足します。
記録と保存:研修は実施内容を残す。身体拘束・事故の記録は完結の日から2年
解釈通知は、虐待防止・感染症・BCPの研修の実施内容を記録することを求めています。運営指導の確認文書は、虐待防止が「研修の計画及び実績がわかるもの」、BCPが研修と訓練それぞれの「計画及び実績がわかるもの」、感染症が「研修及び訓練の実施状況・結果がわかるもの」です(運営指導マニュアル別添)。同じ日に行っても、記録は研修ごとに分けると確認に答えやすくなります(当社の整理)。
第53条の3第2項は、サービス提供の記録、身体的拘束等の記録、市町村への通知の記録、苦情の記録、事故の状況と処置の記録を、その完結の日から2年間保存することを義務づけています。研修の記録の保存期間を定めた条文は、確認した範囲で見当たりませんでした。
研修の義務はなくても記録が要るもの:身体的拘束(第50条)、事故(第37条)、急変時の連絡(第51条)
身体的拘束等は、令和6年度の改正で訪問入浴介護の基準に規定が入りました(老企第25号の新旧対照表で当該項が「新設」)。第50条第3号は禁止、第4号は態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由の記録を義務づけます。解釈通知は、切迫性・非代替性・一時性の3要件を満たすことの確認を、組織等として極めて慎重に行い、具体的な内容を記録しておくことを求めています。
減算はありませんが、国のQ&A(Vol.1345 問3)は、訪問系サービス等について、減算の適用はないが、3要件を満たした記録が確認できない場合は指導の対象になるとしています。事故は、準用される第37条で、市町村・家族・居宅介護支援事業者等への連絡と必要な措置、状況と処置の記録、賠償が義務です。第51条は、サービス提供中の急変時に主治の医師または協力医療機関へ速やかに連絡することを求めており、入浴中の急変時の連絡手順は研修の題材に入れる例があります(当社の整理)。
研修をしないとどうなる?減算は2つ(いずれも1%)。さかのぼるのはBCPだけ
率は令和6年度の算定構造(訪問入浴介護費の頁。介護予防も同じ)、月の数え方は留意事項通知(老企第36号。訪問入浴介護の項は「訪問介護と同様」として参照)、さかのぼりは国のQ&A(令和6年度 Vol.1)によります。利用者全員が対象で、虐待が実際にあったかでなく、措置を講じているかで判定されます。
- 高齢者虐待防止措置未実施減算【1%】委員会を定期的に開催していない、指針を整備していない、年1回以上の研修を実施していない、担当者を置いていない事実が生じた場合、「事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間」利用者全員を減算します(留意事項通知)。虐待がなくても、4つの一つでも欠ければ対象です(問167)。さかのぼらず、見つかった日の属する月が「事実が生じた月」で(問168)、改善計画の提出の有無にかかわらず翌月から減算し、事実が生じた月から3か月以降に改善が認められた月まで続きます(問169)。
- 業務継続計画未策定減算【1%】感染症・災害のどちらか、または両方が未策定で、計画に従った措置も講じていない場合です(問164)。周知・研修・訓練・見直しの有無は要件ではありません。訪問入浴介護は令和7年4月から適用で、令和7年3月31日までは条件なしで適用されませんでした(問165・留意事項通知)。見つかった時点でなく「基準を満たさない事実が生じた時点」までさかのぼり(問166)、事実が生じた日の翌月(月の初日なら当月)から解消された月まで減算します(留意事項通知)。
数え方の例と、減算のない義務
令和8年10月の運営指導で、年1回以上の虐待防止の研修をしていないと分かった場合、「事実が生じた月」は10月で、減算は11月分から始まります。改善が認められるのは早くて3か月後の令和9年1月なので、少なくとも3か月分は減算されます(留意事項通知と問168・問169にもとづく数え方)。BCPの計画が未策定と分かった場合は、令和7年4月までさかのぼる計算です(問166の訪問介護の例と同じ区分。当社の整理)。
基本部分は1回につき1,266単位(令和6年4月改定の算定構造)で、1%は1回あたり約13単位です(当社の計算。地域区分や端数処理は考慮していません)。感染症の研修・訓練、認知症介護基礎研修、ハラスメント対策は、確認した範囲では減算の対象ではありませんが、運営基準の義務なので、していなければ運営指導で改善を求められます。
2026年の変更:カスハラ対策の義務化(10月1日)。期中の報酬改定は研修の規定を変えていない
- カスハラ対策(2026年10月1日から):改正労働施策総合推進法により、全ての事業主の措置義務になりました。厚生労働省のリーフレットは、顧客等に福祉施設の利用者を含むとし、方針の明確化と周知・啓発、あらかじめ定めた対処の内容の周知、相談窓口の設置、事後の迅速かつ適切な対応などを講ずべき措置とし、対処の例に、管理監督者への指示の仰ぎ、可能な限り一人で対応させないこと、警察への通報を挙げています。
- 訪問入浴介護は利用者の自宅へ通常は複数人で訪問します(第50条第6号)。それでも、誰に連絡し、訪問を中止する場合の基準をどうするかは、事業所のルールとして決めて全員に周知しておく必要があります(当社の整理)。セクハラ・パワハラ対策(第53条の2第4項)とあわせて年間計画に入れます。
- 令和8年度の期中改定の資料(令和8年1月)は処遇改善加算の拡充と食費の基準費用額の見直しで、虐待防止・感染症・BCP・身体拘束の記載はありません。
よくある失敗(当社の整理)
- 「訪問系だから認知症介護基礎研修は不要」と判断する:訪問介護の資料の流用が原因です。訪問入浴介護は対象です。
- 施設向けの計画を流用する:身体拘束や事故防止の委員会を作る必要はなく、年2回にそろえる必要もありません(年1回以上が基準で、多く行うのは自由です)。
- 新規採用時の研修を3分野とも「望ましい」と読む:虐待防止だけは「必ず…重要」です。
- 非常勤・派遣の職員を受講管理表から外す、または1つの班の受講で全員が受けたことにする:人ごとに実施日と出席者を記録で示せるようにします。
- 「虐待は起きていないから大丈夫」「BCPは災害だけ作った」と考える:虐待防止は4つの措置のどれかが欠ければ、BCPは感染症か災害のどちらか一方が未策定でも、減算の対象です。
無料の研修キットと年間計画表
虐待防止・感染症対策・BCP・ハラスメント・認知症介護基礎研修などのテーマ別に、読み上げ用レジュメ・確認テスト・実施記録様式・出席簿を無料で表示・印刷できます(認知症介護基礎研修は受講案内と受講記録様式)。「義務研修一覧表」でサービス類型に「訪問系」を選ぶと、当てはまる研修の一覧と、頻度に応じて月を配置した年間計画表が作れます(無料・登録なし。入力内容はお使いのブラウザの中にだけ保存されます)。
注意:「訪問系」は訪問介護や訪問看護なども含む区分で、認知症介護基礎研修は「対象外」と表示され、年間計画表にも入りません。訪問入浴介護の事業所は、認知症介護基礎研修のキットで、資格のない介護職員の受講管理を別に行ってください。
この記事で確認した一次資料
本文の条番号・回数・減算の率・Q&Aの問番号は、2026年10月26日に次の原文で確認しました(リンクは記事末尾の「出典(一次資料)」)。法令・介護報酬は改定されます。最終的な適用は指定権者(都道府県・市区町村)へご確認ください。
- 省令:平成11年厚生省令第37号(第45条、第50条、第51条、第53条の2、第53条の3、第54条と、準用される第30条の2・第31条・第37条・第37条の2、令和3年第9号の附則)、平成18年厚生労働省令第35号(第53条の2〜第54条、第57条)。e-Gov 法令検索の現行条文。
- 通知:老企第25号の令和3年度改正(Vol.934)と令和6年度改正の新旧対照表、留意事項通知(老企第36号)の令和6年度改正の新旧対照表、運営指導マニュアル別添の確認項目及び確認文書。
- 報酬・そのほか:介護報酬の算定構造(令和6年4月)、令和6年度改定 Q&A(Vol.1)問164〜問170、Vol.1345、令和6年度の改定事項、厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年告示第96号)、感染対策の手引き第3版、カスハラ対策リーフレット、令和8年度介護報酬改定の資料。
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出典(一次資料)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第35号)
- 介護保険最新情報 Vol.934(令和3年度改定・解釈通知改正)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(老企第25号)令和6年度改正の新旧対照表(別紙10・抄)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第36号)令和6年度改正の新旧対照表(別紙1・抄)
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和6年4月改定・PDF)
- 介護保険最新情報 Vol.1225(令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)・令和6年3月15日)
- 介護保険最新情報 Vol.1345(令和6年度改定 Q&A)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準」(平成27年厚生労働省告示第96号・法令等データベース)
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」別添 確認項目及び確認文書(令和6年7月改訂・PDF)
- 厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」(令和5年9月・PDF)
- 厚生労働省リーフレット「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(社会保障審議会介護給付費分科会 第253回 資料1・令和8年1月16日)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、当社の損害賠償責任は、故意・重過失を除き購入代金の額を上限とします。