介護の個人情報保護研修は義務?秘密保持義務と、研修が求められる理由
更新日:2026-07-04・約3分で読めます
介護事業所の個人情報保護について、運営基準の「秘密保持」と個人情報保護法の「安全管理措置」は義務です。条文に「研修」という明文はありませんが、義務を実効的に果たす手段として、職員教育(研修)の実施が求められます。時制と根拠を正確に整理します。
まず結論:秘密保持・安全管理は義務。研修はその実効性を担保する手段
介護事業所には、利用者の個人情報を守る二つの義務があります。一つは運営基準の「秘密保持等」、もう一つは個人情報保護法の「安全管理措置」です。いずれも法令上の義務ですが、条文そのものに「研修を実施しなければならない」という明文があるわけではありません。
ではなぜ研修が求められるのか。個人情報の漏えいの多くは、外部からの攻撃よりも、職員の不注意や持ち出しなど内部の要因で起こります。そのため、義務(秘密保持・安全管理)を実際に守れる状態にする手段として、職員への教育=研修が求められる、という関係になっています。「研修が法律に明記された義務」ではなく「義務を果たすために実施が求められる(推奨される)」が正確な整理です。
運営基準の「秘密保持等」——従業者と事業者、それぞれの義務
介護保険の運営基準(例:平成11年厚生省令第37号第33条)は、従業者が業務上知り得た利用者・家族の秘密を漏らしてはならないこと、そして事業者が、従業者であった者を含めて秘密が漏れないよう必要な措置を講じることを義務づけています。退職後も秘密保持が及ぶよう、雇用時に取り決めておくことも実務上重要です。
- 従業者:業務上知り得た利用者・家族の秘密を漏らさない義務。
- 事業者:従業者・元従業者が秘密を漏らさないよう必要な措置を講じる義務。
個人情報保護法の「安全管理措置」と従業者教育
個人情報保護法は、事業者に対し、取り扱う個人データの安全管理のために必要な措置(安全管理措置・第23条)と、従業者に対する必要かつ適切な監督(第24条)を義務づけています。この安全管理措置の具体的な内容として、個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、組織的・人的・物理的・技術的な安全管理措置を求めており、そのうちの「人的安全管理措置」として従業者への教育(研修)が位置づけられています。
つまり、法律の条文に「研修」の語がなくても、安全管理措置の一部として従業者教育が求められている、という構造です。介護事業所が扱う情報は、健康・要介護状態など特にセンシティブなものを含むため、教育の重要性は高いと言えます。
研修で扱う内容
個人情報保護の研修では、何が個人情報にあたるのか、日常業務のどこにリスクがあるのか、漏えいが起きたらどう動くのかを、現場の具体例に沿って共有します。
- 個人情報・要配慮個人情報の範囲(氏名だけでなく健康状態・要介護状態・顔写真なども対象)。
- SNSへの投稿、写真・記録の持ち出し、私物USB・スマホの扱いなど、身近なリスク。
- 記録・書類・端末の管理、離席時の画面ロックなどの基本ルール。
- 委託先(給食・清掃・システム等)の監督と、利用目的・第三者提供の考え方。
- 万一漏えいが起きたときの報告ルートと初期対応。
すべてのサービスに関係する(在宅も同じ)
秘密保持・安全管理の義務は、施設か在宅かを問わずすべてのサービスに共通です。訪問系では利用者宅で得た情報の扱い、通所系では送迎や連絡帳、居宅介護支援ではサービス担当者会議での情報共有など、類型ごとに気をつけるべき場面があります。研修は全職員を対象に、定期的に繰り返すことで効果を持ちます。
無料で使える個人情報保護研修キット
本サイトの「個人情報・プライバシー保護研修キット」には、読み上げレジュメ・確認テスト10問・実施記録様式・出席簿がそろっています。登録不要・無料で、入力はお使いのブラウザ内にのみ保存され、外部には送信されません。全職員向けの定期研修にお使いください。
出典(一次資料)
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