高齢者虐待防止研修、60分の進め方|時間割・グループワーク事例・確認テスト例・実施記録まで 2026
更新日:2026-10-26・約18分で読めます
高齢者虐待防止の研修は、運営基準(省令)が「定期的に実施」と定め、回数と新規採用時の実施は国の解釈通知が示しています。一方、当日を何分でどの順に進めるかは、法令にも通知にも書かれていません。この記事は、義務の根拠を省令・解釈通知・国のQ&A・高齢者虐待防止法の原文で確かめたうえで、本キットの約30分のレジュメと確認テスト10問を使った60分の進行表(当社の提案)、グループワークの架空事例3題、確認テストの例4問、当日のうちに完成させる実施記録の段取りを整理しました(2026年10月時点)。
まず結論:義務は4つの措置。研修は「定期的に」と「新規採用時」で、60分の組み方は別の話
運営基準(厚生労働省令)は、すべての介護サービスの事業者に、虐待の発生または再発を防ぐための4つの措置を義務づけています。委員会を定期的に開いて結果を従業者に周知すること、指針を整備すること、従業者に研修を定期的に行うこと、これらを適切に実施するための担当者を置くことです。令和3年度の介護報酬改定で全サービスに設けられ、3年間の経過措置(努力義務)を経て、令和6年4月1日から義務です。
研修について条文が書いているのは「定期的に実施すること」だけです。回数と新規採用時の扱いは、各サービスの解釈通知にあります。これに対して、研修を60分にするか、読み上げ・確認テスト・グループワークをどう並べるかは、省令にも通知にも書かれていません。この記事の進行表は、本キットの教材に合わせて当社が組んだ構成案で、自由に組み替えられます。
- 義務:委員会・指針・研修・担当者の4つの措置。研修の実施内容は記録することが必要とされています(解釈通知)。
- 回数:施設系・居住系(特養・老健・介護医療院・特定施設・グループホームなど)は年2回以上。訪問系・通所系・短期入所系・多機能系・居宅介護支援などは年1回以上。
- 新規採用時:どのサービスも、定期の研修とは別に「必ず」実施することが重要とされています。
- やり方:指針に基づく研修プログラムを作り、事業所内の研修で差し支えありません(外部講師は必須ではありません)。
- 減算:4つの措置のどれか一つでも欠けると、虐待が起きていなくても所定単位数の1%(高齢者虐待防止措置未実施減算)。対象は居宅療養管理指導と特定福祉用具販売を除くサービスで、福祉用具貸与は令和9年4月1日から適用です。
根拠:省令の条文、解釈通知、回数を示す国のQ&A
研修の条文は、訪問介護など居宅サービスの運営基準(平成11年厚生省令第37号)では第37条の2第3号、特養(同第39号)では第35条の2第3号、居宅介護支援(同第38号)では第27条の2第3号、地域密着型サービス(平成18年厚生労働省令第34号)では第3条の38の2第3号です。いずれも「虐待の防止のための研修を定期的に実施すること」とあり、ほかのサービスも同様の規定を置くか、これらを準用しています。研修の相手は、条文上は訪問介護員等、介護職員その他の従業者、介護支援専門員など、そのサービスの従業者です。資格や職種で対象を分ける規定は、確認した範囲に見当たりません。
解釈通知(令和3年度改正・介護保険最新情報 Vol.934)は、訪問介護の例で、研修の内容を「虐待等の防止に関する基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するもの」であり、事業所の指針に基づいて虐待の防止の徹底を行うものとしています。そのうえで「指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修(年1回以上)を実施するとともに、新規採用時には必ず虐待の防止のための研修を実施することが重要である」「研修の実施内容についても記録することが必要である」「研修の実施は、事業所内での研修で差し支えない」と書いています。
回数は、令和7年1月20日の介護保険最新情報 Vol.1345(高齢者虐待防止措置未実施減算の問1)が、サービスごとに示しています(介護予防サービスを含みます)。
- 年2回以上:特定施設、グループホーム、地域密着型特定施設、地域密着型特養、特養、老健、介護医療院。
- 年1回以上:訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリ、通所介護・通所リハビリ・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護、短期入所生活介護・短期入所療養介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援、介護予防支援。
- 福祉用具貸与・特定福祉用具販売・居宅療養管理指導:Vol.1345 の問の対象外ですが、解釈通知はいずれも「訪問介護と同様」としており、年1回以上です。
研修で伝える中身の根拠①:高齢者虐待防止法が定める5つの行為
高齢者虐待防止法(平成17年法律第124号)第2条第5項は、養介護施設従事者等による高齢者虐待を、次の5つの行為で定めています。対象は入所施設だけではありません。居宅サービス事業、地域密着型サービス事業、居宅介護支援事業などで働く人も、法律上の養介護施設従事者等です。研修では、この5つを職員が自分の言葉で説明できる状態をめざします。
- 身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること。
- 介護・世話の放棄・放任(介護等放棄):著しい減食や長時間の放置など、高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
- 心理的虐待:著しい暴言や著しく拒絶的な対応など、著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
- 性的虐待:わいせつな行為をすること、またはさせること。
- 経済的虐待:高齢者の財産を不当に処分することなど、不当に財産上の利益を得ること。
研修で伝える中身の根拠②:通報義務と職員の保護、国の調査
第21条第1項は、養介護施設従事者等に、自分が働く施設・事業所で従事者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合、速やかに市町村へ通報することを義務づけています。条文の文言は「虐待を受けたと思われる」で、虐待が確定していることは求めていません。国のマニュアルは、虐待があると信じたことに一応の合理性があれば、通報が過失によるものとはされないと説明しています。守秘義務の規定は通報を妨げるものと解釈してはならず(虚偽・過失によるものを除く、第6項)、通報したことを理由に解雇その他の不利益な取扱いを受けません(第7項)。第5条は、養介護施設従事者等に、虐待を発見しやすい立場にあることを自覚して早期発見に努めるよう求めています。
厚生労働省の令和6年度の調査では、養介護施設従事者等による虐待と判断された件数は1,220件でした。相談・通報者4,079人のうち「当該施設職員」が1,119人(27.4%)で最も多くなっています。虐待の発生要因では「職員の虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識の不足」が926件(75.9%)で最も多くなっています。一方、虐待が認められた施設・事業所のうち999件(81.9%)は「職員に対する虐待防止に関する研修の実施」をしていました。研修は、実施したかどうかだけでなく、内容が日々の行動につながっているかが大切だと、当社は考えています。
研修で伝える中身の根拠③:虐待かどうかの見方と、「不適切ケア」の扱い
厚生労働省「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(令和8年3月改訂)の第Ⅲ章は、市町村と都道府県の対応を書いた資料で、職員向けの手引きではありませんが、虐待をどう見るかの考え方は研修の根拠になります。虐待の有無は、「いつ」「どこで」「誰が」「誰から」「何をされたのか」を事実確認で特定し、総合的に判断するとされています。考え方として、行われた行為だけでなく高齢者の尊厳、心身や生活への影響という視点で捉えること、迷う場合は複数の専門職を交えて判断することが望ましいとされています。
同じ章に引用されている平成22年9月30日の国の通知(老推発第0930第1号)は、虐待に当たると考えられる行為を、該当するかどうかの判断をせずに「極めて不適切な行為」として処理することは、法では想定されていないとしています。
「不適切ケア」という言葉は、確認した法律・省令・解釈通知・このマニュアルの章に定義が見当たりません。本キットのレジュメは、虐待に至る前の気づきを促す現場の言葉として使っています。研修で伝える要点は、「虐待か否か」の線引きを職員が一人で決めることではなく、相手の尊厳や心身への影響を考えること、迷ったら抱え込まずに相談・通報することです。
- 身体拘束との関係:国の運営指導マニュアルは、適切な手続きを経ていない身体的拘束等は、高齢者虐待防止法に規定する身体的虐待に該当する可能性が高いとしています。
- 緊急やむを得ない場合の三つの要件:切迫性(本人または他の利用者の生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高い)、非代替性(身体拘束その他の行動制限以外に代替する介護方法がない)、一時性(行動制限が一時的なもの)。国のQ&A(Vol.1345)に説明があります。
60分の時間割(当社の提案・目安)
キットのレジュメ(約30分)と確認テスト10問を使う想定の進行表です。時間は目安で、法令が定めたものではありません。外部講師は不要で、司会と読み手は管理者や虐待防止の担当者が務められます。
- 0〜3分|開会:出席簿を回し、今日のゴール(5つの行為を言える/通報の決まりがわかる/自事業所の相談先がわかる)を伝える。
- 3〜33分|レジュメの読み上げ(30分):はじめに3分、虐待の定義と5つの類型7分、背景5分、不適切ケアとグレーゾーン5分、通報義務5分、今日からやること5分(キットの区切りどおり)。
- 33〜43分|確認テスト(10分):解答7分、答え合わせ3分。
- 43〜55分|グループワーク(12分):事例を読む2分、3〜4人で話し合う7分、全体で共有する3分。
- 55〜60分|記録と閉会(5分):出席簿の署名の確認、実施記録の記入、欠席者への対応日を決める。
各パートの話す内容と使う資料
【開会(3分)】出席簿は最初に配り、その場で署名してもらいます。研修の根拠はレジュメの「はじめに」で触れるので、ここでは今日のゴールだけを伝えます。
【レジュメの読み上げ(30分)】キットのレジュメをそのまま読み上げます。一人で読み続けると集中が切れるため、節ごとに読み手を交代する工夫が使えます(当社の提案)。「不適切ケアとグレーゾーン」の節では、場面を読んだあと、各自が心当たりを心の中で数える時間を取ると、犯人探しになりません。「通報義務」の節の前には、自事業所の相談先と市町村の通報窓口を書いた紙を配っておきます。
【確認テスト(10分)】キットの確認テスト10問(解答・解説つき)を配り、解答に7分、答え合わせに3分を使います。点数は人事評価に使わず、間違えた問いの解説を読み合わせます(「研修の理解度確認テストの作り方」も参照)。
【グループワーク(12分)】次の節の架空事例から1題を選び、印刷して配ります。「自分たちの職場なら、まず何をするか」を言葉にする時間です。2題扱うなら各6分に絞り、3題は別の回に回します。
グループワークの事例3題(架空・個人が特定されない形)
以下は当社が作った架空の事例です。「虐待に当たるか」の結論を出すことが目的ではありません。虐待の有無は事実確認にもとづいて判断されるもので、職員が現場で一人で決めるものではありません。話し合いでは、起きていることを事実と推測に分け、相手の尊厳や心身への影響を考え、自分ならどこへ相談・通報するかを話します。自事業所の出来事を題材にする場合は、利用者や職員が特定される情報を外してください。
- 事例A(待たせる):トイレ誘導を求めた利用者に、職員が「ちょっと待ってね」と声をかけたまま、別の対応が続いて30分以上そのままになった。利用者は何度も職員を呼んでいた。 問い:この間、利用者にどんな影響が出ているか。人手が足りない日に、どんな声かけや役割分担ができるか。 考えどころ:法が定める「長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること」に当たるかどうかは、時間・頻度・本人への影響を事実で確かめて判断されます。研修では、チームで順番と人手を調整する話にします。
- 事例B(帰宅願望の利用者):「家に帰る」と立ち上がろうとする利用者に、職員が車いすのブレーキをかけ、テーブルを体にぴったりつけて動けないようにした。家族への説明も記録もない。 問い:これは身体拘束に当たるか。三つの要件に照らすと何が足りないか。拘束以外に、どんな関わりがあるか。 考えどころ:適切な手続きを経ていない身体的拘束等は、身体的虐待に該当する可能性が高いとされています。「危ないかもしれないから」だけでは、切迫性(生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと)を満たしたとはいえません。
- 事例C(先輩の介助を見たとき):入浴介助のあと、後輩職員が、先輩職員が利用者の腕を強くつかんでいたことと、利用者の腕に赤いあざが残っていることに気づいた。管理者に伝えたところ、「忙しいから、しばらく様子を見よう」と言われた。 問い:後輩が次にできることは何か。事業所内の相談先に伝えたら、通報の義務は終わるのか。通報した職員は、法律でどう守られるか。 考えどころ:法律が通報先として定めているのは市町村です。事業所内の報告が通報の代わりになるとする規定は、確認した範囲に見当たりません。確証までは求められておらず、通報を理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止されています(虚偽・過失によるものを除く)。
確認テストの例4問(正答と解説)
本キットの確認テスト10問とは別に、この記事の内容に合わせて当社が作った例です。知識の確認に加えて、考え方を問う設問と、自事業所の運用を問う設問を混ぜています。
- 問1:自分が働く事業所の職員による虐待を受けたと思われる高齢者を見つけた職員に、法律が通報先として定めているのはどこか。(1 事業所の管理者 2 市町村 3 利用者の家族) 正答:2。解説:高齢者虐待防止法第21条第1項は、速やかに市町村へ通報することを義務づけています。管理者への報告・相談も大切ですが、条文が定める通報先は市町村です。
- 問2:国のマニュアルが、虐待の有無を判断するときの考え方として示しているのはどれか。(1 行為をした職員の悪意の有無だけで決める 2 行われた行為だけでなく、高齢者の尊厳や心身・生活への影響という視点でも検討する 3 本人や家族が苦情を言わなければ虐待とは判断しない) 正答:2。解説:行為だけを見れば虐待とまではいえない場合でも、悪影響を及ぼしていないかという視点で検討することが必要とされています。
- 問3:減算の対象のサービスで、虐待が1件も起きていない事業所でも、高齢者虐待防止措置未実施減算(所定単位数の1%)になるのはどの場合か。(1 虐待が起きていなければ、どの場合もならない 2 委員会・指針・研修・担当者のうち、一つでも講じていない場合 3 研修のあとに確認テストをしなかった場合) 正答:2。解説:国のQ&A(令和6年度改定 Q&A Vol.1 問167)は、虐待が発生していなくても、全ての措置の一つでも講じられていなければ減算になるとしています。確認テストの実施を義務づける規定は、確認した範囲に見当たりません。
- 問4(自事業所の運用):当事業所の虐待防止の担当者の名前、職員が気づいたときの相談・報告先、市町村の通報窓口の連絡先を書きなさい。 解説:正答は事業所ごとに異なります。解釈通知が指針に盛り込むとする項目のうち「虐待等が発生した場合の相談・報告体制」にあたる内容です。答えを一枚の紙にまとめて研修の前に配り、答え合わせで確かめます。
記録は研修時間内に完成させる:運営指導で確認される書類との対応
解釈通知は、研修の実施内容についても記録することが必要としています。国の運営指導マニュアルの「確認項目及び確認文書」は、虐待の防止について、委員会の開催状況及び結果がわかるもの、虐待の防止のための指針、「虐待の防止のための研修の計画及び実績がわかるもの」、担当者を置いていることがわかるものを挙げています(訪問介護の例)。記録の様式や記載項目を定めた国の規定は、確認した範囲に見当たりません。計画と実績が示せる形にしておけば、確認文書に答えられます(「介護の研修 実施記録の書き方」も参照)。
当日の段取りは、出席簿を最初に配ってその場で署名してもらい、実施記録は終了前の5分で、その場で埋めきることです。担当者が後日まとめて書く運用は、抜け漏れの原因になります。当日欠席した職員への補講日は、その場で決めて記録に書き添えます。次の項目は記入の一例で、国が定めた項目ではありません。
- 実施日時・場所・司会者(講師)、研修名(高齢者虐待防止研修)と区分(定期研修/新規採用時研修)。
- 使った資料(キットのレジュメ・確認テスト・事例)と、扱った内容の要点。
- 参加者:出席簿(氏名・職種)と人数。欠席者と、補講の予定日。
- 結果:確認テストの実施と取り扱い、グループワークで出た意見や課題、次回に反映する点。
人数や時間の都合に合わせた調整例
60分をまとめて確保しにくい事業所や、人数の少ない事業所もあります。以下は当社の提案で、法令が定めた型ではありません。
- 時間が取れない場合:グループワークを次回に回し、レジュメの読み上げ30分、確認テスト10分、記録5分の45分にする。「不適切ケアとグレーゾーン」と「通報義務」の節は削らない。
- 少人数の事業所:グループワークは全員で一つの輪になって話す。国のQ&A(令和6年度改定 Q&A Vol.1 問170)は、規模の大小に関わりなく研修を定期的に行うよう求め、法人内の複数事業所や小規模事業所どうしの合同開催、都道府県や市町村などが行う研修会への参加を例に挙げています。合同で行う場合は、参加した各事業所の従事者と内容が記録で確かめられるようにします。
- 人数が多い場合:グループワークは3〜4人の班に分け、全体での共有は代表の数班だけにする。
- 新規採用者向けに単独で実施する場合:レジュメの読み上げ→確認テスト→記録の3ステップに絞り、事例は1題、自事業所の相談先と通報窓口の説明を厚くする。
- オンラインや動画で行う場合:方法の可否を明記した規定は、確認した省令・解釈通知に見当たりません。迷う場合は指定権者(都道府県・市町村)に確認してください。
定期研修と新規採用時研修は、別々に記録する
定期的な研修(年1回以上または年2回以上)と、新規採用時に必ず行うことが重要とされる研修は、解釈通知の中で別々に書かれています。新規採用時の研修を定期研修の回数に数えてよいかどうかは、確認した省令・解釈通知・国のQ&Aに定めが見当たりません。そこで当社は、60分の構成は使い回しつつ、実施記録に「定期研修」か「新規採用時研修」かを明記し、別々の実施として記録しておくことをおすすめします(当社の提案)。新規採用時の研修が抜けた場合の減算の扱いは、国の資料に明記がありません(「高齢者虐待防止措置未実施減算とは?」で解説しています)。
年度の途中で複数人を採用した場合は、まとめて1回の新規採用時研修として行い、それぞれの入職日と受講日を記録に明記する方法があります。新規採用時の研修をいつまでに行うかという期限は、確認した資料に見当たりません。入職後の早い時期に行うのが確実です。
よくある失敗
60分の研修を組むときにつまずきやすい点です。
- 読み上げだけで終わる:確認テストも話し合いもなく、理解度も気づきも残らない。確認テストと記録は最低限入れる。
- 犯人探しの場になる:実在の職員に結びつけて話すと、発言が止まる。事例は架空にし、「誰が」ではなく「どうすればよかったか」を話す。
- 「事業所内の報告で足りる」と伝えてしまう:法律が定める通報先は市町村。相談体制の説明と、通報義務の説明を並べて伝える。
- 自事業所の指針・担当者・相談先を示さない:基礎知識だけで終わり、解釈通知のもう一つの柱である「指針に基づく徹底」が抜ける。
- 記録が後日になる、欠席者を放置する:出席者や内容があいまいになり、「研修の計画及び実績」を示しにくくなる。補講日と記録を決めないまま年度末を迎えない。
無料で使えるレジュメ・確認テスト・記録様式
本記事の60分の構成は、本サイトの「高齢者虐待防止研修キット」にある約30分のレジュメと確認テスト10問(解答・解説つき)を使う前提で組んでいます。実施記録様式・出席簿も同じ画面から印刷でき、登録不要・無料で、入力内容はお使いのブラウザ内にのみ保存され外部には送信されません(zero-retention)。
法令・介護報酬は改定されます(本記事は2026年10月時点)。最終的な適用は指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へご確認ください。
この記事で確認した一次資料
2026年10月26日に、下の「出典」に挙げた省令・法律(e-Gov 法令検索)、解釈通知(Vol.934、老企第25号の令和6年度改正)、国のQ&A(令和6年度改定 Q&A Vol.1、Vol.1345)、改定事項と算定構造、国のマニュアル(令和8年3月改訂・第Ⅲ章)、運営指導マニュアルと確認文書、令和6年度の調査結果を取得し、該当箇所を確かめました。
この記事を書いたチームは、note でも介護の仕事で考えたことを書いています。note をフォローする
出典(一次資料)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
- 介護保険最新情報 Vol.934(令和3年度改定・解釈通知改正)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(老企第25号)令和6年度改正の新旧対照表(別紙10・抄)
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)
- 介護保険最新情報 Vol.1345(令和6年度改定 Q&A)
- 介護保険最新情報 Vol.1225(令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)・令和6年3月15日)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和6年4月改定・PDF)
- 厚生労働省「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(令和8年3月改訂)第Ⅲ章 養介護施設従事者等による虐待への対応(PDF)
- 厚生労働省「令和6年度『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』に基づく対応状況等に関する調査結果」(資料1・PDF)
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」(令和6年7月改訂)
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」別添 確認項目及び確認文書(令和6年7月改訂・PDF)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、当社の損害賠償責任は、故意・重過失を除き購入代金の額を上限とします。