介護施設の嘔吐物処理の手順と研修・訓練の回し方(ノロウイルス)。消毒液の濃度は資料で数字が違う点まで、国の手引きで整理(2026)
更新日:2026-11-04・約16分で読めます
介護施設の嘔吐物処理は、国の「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」に手順が示されています。窓を開けて換気し、近くの人を離し、マスク・使い捨てエプロン・使い捨て手袋をつけ、外側から内側へ拭き取り、消毒して、密閉して捨て、液体石けんと流水で手を洗う、という流れです。一方で、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、国の資料の中でも場面と資料によって0.02%・0.1%・0.5%などと書き分けられています。この記事は、手引き第3版と「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(2019年改訂版)」などの数字を出典つきで並べ、年に何回、誰が、模擬嘔吐物でどう実技をするか、チェック表と記録の残し方、確認テスト5問の例までを整理しました(2026年11月時点)。
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まず結論:嘔吐物処理は「読んで知る」と「手を動かす」の2段で回す。消毒液の数字は自施設の手順書に出典つきで決める
嘔吐物の処理は、手順を知っているだけでは、いざという場面でそのとおりに動けないことがあります。この記事は、読み上げの研修で手順をそろえ、模擬嘔吐物を使った実技の訓練で動きを確かめる、という2段の回し方を、国の資料の数字と一緒に整理したものです。
- 手順:換気、人を離す、防護具、覆う、外側から内側へ拭く、消毒、密閉して捨てる、手洗い(手引き第3版 14〜15ページ)。
- 数字:次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、手引き第3版の中でも、国の他の資料でも、場面によって0.02%、0.1%、0.5%と書き分けられています。どれが正しいかを当社は決めず、出典とページを付けて並べます。
- 自施設の手順書:濃度・作り方は、出典とあわせて場面ごとに決めて書き、全員が同じ数字を言えるようにします。迷う場合は、嘱託医・協力医療機関・保健所に相談してください。
- 回数:研修と訓練は、施設系と居住系は年2回以上、それ以外は年1回以上です(解釈通知)。
なぜ今か:冬に多いノロウイルスの集団感染は、嘔吐物と便の処理から広がる
手引き第3版は、ノロウイルスを冬季の感染性胃腸炎の主要な原因とし、感染力が強く、100個以下の少量のウイルスでも感染して、集団感染を起こすことがあるとしています。
介護施設等については、感染した利用者の便や嘔吐物に触れた手指で取り扱う食品等を介した二次感染が多く、おむつと嘔吐物の処理に特に注意が必要だとしています。手すり、ドアノブ、水道の蛇口など手に触れる場所も、汚染されている可能性があります。嘔吐物が乾燥すると空気感染の経路を取りうるため、速やかに清掃する必要があるとされています。
手引きの注によると、急性期の患者の糞便1gに1億個以上、嘔吐物1gに100万個以上という大量のウイルスが存在します。流行の時期を前にして、10〜11月のうちに一度、全員が同じ手順で動けるかを確かめておく、という使い方が考えられます(時期は当社の整理)。
処理手順:手引き第3版が示す流れ(14〜15ページ)
手引き第3版は、嘔吐物・排泄物の処理について、速やかに、かつ入念に清掃することが重要とし、嘔吐物は広範囲に飛散するため、拭き残しのないよう注意するとしています。処理手順の要点は次のとおりです。
- 手順1 換気:窓を開けて換気を行います。
- 手順2 人を離す:近くにいる利用者を移動させ、処理を行う職員以外は立ち寄らないようにします。
- 手順3 防護具:マスク、使い捨てエプロン(長袖ガウン)、使い捨て手袋をつけます。できればゴーグルと靴カバーもつけるとされています。エアロゾル化した嘔吐物が感染源となる場合も指摘されているため、マスクは省きません。
- 手順4 拡散を防ぐ:嘔吐があった場合は周囲2mくらいは汚染していると考え、まず濡れたペーパータオルや布等を嘔吐物にかぶせて拡散を防ぎます。
- 手順5 拭き取る:ペーパータオルや布等で、外側から内側に向けて静かに拭き取ります。汚染を拡げないために、一度拭き取ったペーパータオルは捨てます。
- 手順6 消毒する:最後に次亜塩素酸ナトリウム液(0.02%)で浸すように拭き取り、その後に水拭きします。
- 手順7 捨てる:使ったペーパータオル等はビニール袋に密閉して捨てます。このとき、廃棄物が十分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム液(0.1%)を袋に入れることが望ましいとされています。おむつ等は速やかに閉じて排泄物等を包み込み、ビニール袋に密閉して捨てます。
- 手順8 周囲:トイレで嘔吐した場合も換気を十分にし、便座や周囲の環境も十分に消毒します。
- 手順9 手洗い:処理後は手袋、エプロン、マスクをはずして、液体石けんと流水で入念に手を洗います。
- 手順10 換気:次亜塩素酸ナトリウム液を使ったあとも、窓をあけて換気をします。
防護具と役割分担:処理する人以外を近づけない。処理用キットは先に決めておく
手引き第3版は、嘔吐物や排泄物が飛び散って目・鼻・口を汚染するおそれがあるときは、手袋と長袖ガウンをつけた上で不織布マスクをつけ、必要に応じてゴーグルやフェイスシールドをつけるとしています。防護具をつけている間は、汚染物を広げないよう広い範囲を歩き回らないこと、使った防護具を持ち歩かずに速やかに感染性廃棄物の箱へ捨てることも重要とされています。
処理用キットについて、手引きは、各フロアや居室に蓋付きの専用容器を用意しておく例を紹介しています。中身の例は、使い捨て手袋、次亜塩素酸ナトリウム、ビニールエプロン、ペーパータオル、マスク、ビニール袋、使い捨て布、その他必要な物品(新聞紙等)です。中身を一覧にしておくと補充が早くなり、次亜塩素酸ナトリウムは有効期限を定期的に確認することが必要とされています。職員1人が処理を行い、別の職員が利用者の対応をする、と決めている施設の例も紹介されています。
- 訓練で確かめること:キットの置き場所を全員が言えるか、中身がそろっているか、次亜塩素酸ナトリウムの期限が切れていないか、処理する人と利用者に付く人は誰か(当社の整理)。
- 防護具を外す順番:手引きはエプロンの着脱について厚生労働省の動画教材を紹介しています。外す順番は手順書で決め、全員が同じ手順で外せるようにします(当社の整理)。
消毒液の濃度:国の資料の中でも数字が違う。場面ごとに出典つきで並べる
嘔吐物処理で使う次亜塩素酸ナトリウム液の濃度は、読む資料と箇所によって数字が異なります。次は、今回確認した資料に書かれている数字を、そのまま並べたものです。%とppmの関係は、手引きが0.02%=200ppm、0.1%=1,000ppmと示しています。実際に使う製品での作り方や濃度は、添付文書を熟読し、手引きとあわせて確認してください。
- 手引き第3版(令和5年9月)14ページ・嘔吐物の処理手順:消毒は0.02%の液で浸すように拭き取り、その後に水拭きします。廃棄用のビニール袋に入れる液は0.1%です。
- 手引き第3版 14ページ・定期的な清掃のポイント:ノロウイルス感染症発生時は、0.02%〜0.1%(200ppm〜1,000ppm)の次亜塩素酸ナトリウム液を使い、消毒後の腐食を避けるために水拭きします。
- 手引き第3版 45ページ・嘔吐物・排泄物の処理:汚染場所とその周囲を、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム液で清拭し、消毒します。
- 手引き第3版 19ページ・対象物による消毒方法の表:嘔吐物や排泄物で汚染された床は、手袋をして0.5%の次亜塩素酸ナトリウムで清拭します。この表は、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版(2019年3月)」を一部改変したものと表に書かれています。
- 手引き第3版 98〜99ページ・発生時の対応:嘔吐物で汚れた食器は、蓋付き容器に作った0.02%の液に入れてから厨房へ下げます。下洗いした場所は0.02%の液で消毒したあとに洗剤で清掃します。
- 感染対策マニュアル(2019年改訂版)27〜28ページ・嘔吐物処理の仕方:0.5%の次亜塩素酸ナトリウム液を作り、最後に0.1〜0.5%の液でしっかり拭き取ります。
- 感染対策マニュアル(2019年改訂版)90ページ・市販の漂白剤を用いた調製表:便や吐物が付着した床等は1,000ppm(0.1%)、食器等の漬け置きやトイレの便座・ドアノブ・手すり・床等は200ppm(0.02%)です。
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(最終改定 令和3年11月19日):ふん便・吐ぶつの処理では、塩素濃度約200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床を拭き取り、その後に水拭きします。ビニール袋に入れる液は約1,000ppmです。
数字が違う時の進め方:場面ごとに1つに決め、出典と版を手順書に書き、訓練で言えるようにする
今回確認した資料には、数字の違いの理由を説明した記載は見当たりませんでした。手引き第3版は令和5年9月、感染対策マニュアルは2019年3月、ノロウイルスに関するQ&Aは令和3年11月19日が最終改定です。当社の整理として、次のように進める方法があります。
- 手順書に載せる濃度を、嘱託医・協力医療機関・保健所の助言も受けて、場面ごと(床・廃棄袋・食器・トイレ)に決めます。
- 手順書に、場面ごとの濃度と、出典の名称・版・ページを書きます。
- 一度決めたら、研修のレジュメ、チェック表、確認テスト、処理用キットの容器のラベルも、同じ数字にそろえます。キットのレジュメの数字も、決めた数字と照らし合わせてお使いください。
- 国の資料が改訂されたら、感染対策委員会で見直し、見直した日と理由を議事録に残します。
- 接触時間:消毒薬の効果は濃度・温度・時間で決まり、一定の接触時間が必要と手引きは説明しています。今回確認した範囲では、手引きは床の拭き取りで何分置くかを数字で示していません。手順書に時間を書く場合は、出典か専門職の助言を付けます。
消毒液の作り方と扱い:作り置きしない、噴霧しない、金属は水拭き
手引き第3版は、次亜塩素酸ナトリウム液の作り方と扱いについて、次の点を示しています(14〜15、17、19〜20ページ)。
- 作り方の目安:0.02%(200ppm)は、2Lのペットボトル1本の水に、塩素系消毒液(原液濃度6%の場合)8mL(ペットボトルのキャップ2杯程度)です。0.1%(1,000ppm)は、同じく2Lの水に40mLです。添付文書を熟読し、酸と混ぜないよう注意します。
- 作り置き:光や熱で分解しやすいので、希釈して作った液は可能な限りその日のうちに使います。揮発して濃度が下がるため蓋付き容器が望ましく、冷暗所に保管します。
- 保管:認知機能の低下した方が誤飲する可能性があるため、施錠できる場所で保管するなど、保管場所と方法に留意します。
- 噴霧:希釈液をスプレーで吹きかけると、病原体が舞い上がって感染の機会を増やすため、噴霧はしません。
- 汚れと濃度:有機物の汚れに触れると消毒効果が下がるため、汚れを除去してから消毒します。ペーパータオルで消毒する場合は、ペーパータオルが有機物なので効果が下がり、濃度を上げる必要があるとされています。
- 金属と皮膚:金属には腐食性があるため、消毒後は水拭きして乾燥させます。皮膚には使えません。
- アルコール:ノロウイルスはアルコールによる消毒効果が弱く、手指消毒は、液体石けんと流水による手洗いがすぐにできない場合の補助です。
処理のあと:リネンと嘔吐した本人の対応、2人以上出た時の動き
手引き第3版の発生時の対応のうち、嘔吐物の処理に続く場面の要点です(98〜99ページ)。
- リネン:付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理したあと、静かにもみ洗いし、しぶきを吸い込まないようにします。下洗いしたリネン類の消毒は、85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。熱水洗濯ができない場合は、次亜塩素酸ナトリウム液による消毒が有効です。
- 嘔吐した本人:高齢者は嘔吐物を気道に詰まらせることがあるため、窒息しないよう横向きに寝かせ、速やかに吸引できるよう日頃から体制を整えておきます。脱水を起こしやすいので水分補給が必要です。
- 2人以上出た時:水様便や嘔吐症状の発症者が2人以上になった場合は、集団感染の可能性を踏まえ、看護職員等が記録するとともに責任者に口頭で伝え、責任者は施設全体に緊急体制を敷きます。
研修・訓練の回し方①:年何回、誰が、いつ
ここでは回数の根拠は繰り返さず、嘔吐物処理をどこに置くかを扱います。回数は、施設系・居住系が年2回以上、それ以外が年1回以上です(解釈通知。条文と根拠は別記事で整理しています)。
当社の整理として、年2回の枠のうち1回を流行期の前の「嘔吐物処理の実技の訓練」にし、もう1回を別のテーマ(発生時の連絡と役割分担の机上訓練など)にする組み方があります。感染症の業務継続計画の研修・訓練と一体で行って差し支えないことは、解釈通知に書かれています。年1回の事業所では、嘔吐が起きる場所(食堂、居室、送迎車、訪問先など)を年ごとに変えると、確認できる範囲が広がります。
- 研修計画:手引き第3版は、年度の初めに研修計画を立てるとしています。実技の訓練の日付も、そこで決めておきます。
- 進行役:感染対策担当者または看護職員です。手引きは、感染対策担当者は看護師が薦められるとし、感染管理の専門職を外部講師に招く例も紹介しています。
- 参加者:全職員です。手引きは、委託先の職員も含め、勤務するすべての職員が感染対策の知識を共有することが大切としています。夜勤者向けの回を別に設けます(当社の整理)。
- 新しく入った職員:手引きは、新規採用者への研修を採用後できるだけ早い時期に行うことも重要としています。入職時に手順を確認し、実技は次の訓練で経験してもらいます(当社の整理)。
- 流行時期のシミュレーション:手引きの「効果的な研修のための工夫」の例に、流行時期には実際の発症を想定したシミュレーション(演習)を行い、内容の定着をはかる、とあります。
研修・訓練の回し方②:模擬嘔吐物を使った実技(20分の進行例)
解釈通知は、訓練を、事業所内の役割分担の確認や、感染対策をした上でのケアの演習などで行うものとし、机上と実地を適切に組み合わせることが適切としています。嘔吐物処理は実地の訓練に向いた題材です。以下は当社の整理による進行例で、法令や手引きが定めた形ではありません。
- 準備(前日まで):模擬嘔吐物(水に片栗粉やとろみ剤、色のついた食品などを混ぜたもの。本物の嘔吐物や刺激の強い薬品は使わない)、処理用キットの実物、現行の手順書を用意します。床には汚れ防止の養生をします。
- 0〜3分 場面の設定:「食堂で食事中の利用者が嘔吐した」「夜間に居室で嘔吐した」など、場所と時間帯を決め、発見者と処理者の役を割り当てます。
- 3〜13分 実技:手順書どおりに、換気、人を離す、防護具、覆う、外側から内側へ拭く、消毒、密閉して捨てる、手洗いまでを通しで行います。進行役は手を出さず、チェック表に印をつけます。消毒液は、手袋と換気をした上で希釈から実液で行うか、水で代用して手順だけ確かめるかを、事前に決めておきます。
- 13〜17分 発見者の動き:報告先(管理者・看護職員)と、2人以上出た時の連絡の流れを、口に出して確認します。
- 17〜20分 振り返り:チェック表の抜けを全員で見て、手順書の直しが要る点をメモします。直しは感染対策委員会に上げます。
- 人数が多い時:1回に全員がやる必要はありません。少人数の班に分け、班ごとに実技を行い、全員が処理者を1回は経験できるようにします。
チェック表の項目の例(当社の整理)
次のチェック表は、手引き第3版の処理手順に沿って組んだ例です。できなかった理由を書く欄を付けると、手順書の見直しの材料になります。
- 窓を開けた。近くの人を離し、処理する人以外を近づけなかった。
- マスク・使い捨てエプロン(長袖ガウン)・使い捨て手袋をつけた。
- 最初に、濡れたペーパータオル等で嘔吐物を覆った。
- 外側から内側へ拭き、一度使ったペーパータオルは捨てた。
- 手順書で決めた濃度の消毒液で、浸すように拭き、その後に水拭きした(スプレーを使わなかった)。
- 袋に密閉して捨てた(袋に入れる液の濃度は手順書どおりか)。
- 防護具を外し、液体石けんと流水で手を洗った。処理後に換気した。
- 報告先と、2人以上出た時の連絡の流れ、処理用キットの場所と期限を言えた。
記録:何を残すか
解釈通知は、研修の実施内容を記録することが必要としています。訓練の記録様式までは定められていませんが、運営指導の確認文書は、研修及び訓練の実施状況・結果がわかるものを挙げています。
当社の整理として、嘔吐物処理の訓練の記録には、実施日、場面の設定、参加者の氏名と職種、進行役、使った手順書の版と消毒液の濃度、チェック表の結果、見つかった課題と手順書の直し、次回の予定を書いておくと、あとで示しやすくなります。
よくある誤り(当社の整理)
国の資料の注意点から、現場で起きやすい誤りを挙げます。
- スプレーで消毒液を吹きかける:病原体が舞い上がるとして、手引きは噴霧しないとしています。
- 拭いたペーパータオルを使い回す、内側から外へ拭く:汚染が広がります。外側から内側へ、一度拭いたものは捨てます。
- アルコールで済ませる:ノロウイルスはアルコールの消毒効果が弱いとされています。処理用キットに入れるのは次亜塩素酸ナトリウムです。
- 数字が人によって違う:「0.1%」「0.02%」「0.5%」を、職員がそれぞれ別の資料で覚えている状態です。手順書で場面ごとに決め、出典を書きます。
- キットはあるが、期限切れか中身が足りない:次亜塩素酸ナトリウムの期限と中身を、定期的に確認します。
- 1人で抱え込む:発症者が2人以上になったら、責任者に伝え、集団感染の可能性を踏まえて動きます。
確認テストの例(5問):製品の確認テストと重複させない問い
本サイトの感染症対策研修キットの確認テスト10問とは別に、この記事の内容から作った例を5問挙げます。実技のあとの振り返りや口頭での確認に使えます。答えは手引き第3版の記載に基づきます。
- 問1 嘔吐物を拭き取る向きと、拭いたペーパータオルの扱いは? 答え:外側から内側に向けて静かに拭き取り、一度拭き取ったペーパータオルは、汚染を拡げないために捨てます。
- 問2 消毒液をスプレーで吹きかけてよいか? 答え:よくありません。病原体が舞い上がって感染の機会を増やすため、噴霧はしません。
- 問3 希釈して作った次亜塩素酸ナトリウム液は、いつまでに使うのがよいか? 答え:光や熱で分解しやすく、揮発もするため、可能な限りその日のうちに使います。蓋付き容器に入れ、冷暗所に保管します。
- 問4 食事中の嘔吐で食器が汚れた。厨房に戻す前にどうするか? 答え:厨房にウイルスを持ち込まないよう、蓋付き容器に作った消毒液(手引きでは0.02%)に入れ、次の下膳のときに取り出して厨房へ下げます。
- 問5 嘔吐した高齢の利用者で、窒息を防ぐために行うことは? 答え:横向きに寝かせます。速やかに吸引できるよう、日頃から体制を整えておきます。
無料で使える感染症対策研修キット
本サイトの「感染症対策研修キット」のレジュメは、約30分で読み上げられる構成で、ノロウイルスの節に嘔吐物の処理手順が入っています。確認テストは10問です。座学のあとに、この記事の進行例を参考に、事業所の手順書と処理用キットを使った実技の訓練を組み合わせてお使いください。キットのレジュメに載る濃度の数字も、事業所で決めた数字と照らし合わせてお使いください。
法令や国の資料は改訂されます(本記事は2026年11月時点)。最終的な適用は、指定権者の自治体と、嘱託医・保健所の助言でご確認ください。この記事は医療上の助言ではありません。
この記事で確認した一次資料
2026年11月4日に、厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」と「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版(2019年3月)」(奥付によると株式会社三菱総合研究所の編集)の本文、「ノロウイルスに関するQ&A」の処理と濃度の項を取得し、該当箇所を確かめました。運営基準・解釈通知にかかわる記述は、当サイトの別記事で2026年10月26日に確認した内容によります。
この記事を書いたチームは、note でも介護の仕事で考えたことを書いています。note をフォローする
出典(一次資料)
- 厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」(令和5年9月・PDF)
- 厚生労働省「高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版」(2019年3月・株式会社三菱総合研究所 編・PDF)
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(最終改定 令和3年11月19日)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)
- 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)
- 介護保険最新情報 Vol.934(令和3年度改定・解釈通知改正)
- 介護保険最新情報 Vol.1213(令和6年度改定・解釈通知等改正)
- 厚生労働省「介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修」
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」別添 確認項目及び確認文書(令和6年7月改訂・PDF)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、当社の損害賠償責任は、故意・重過失を除き購入代金の額を上限とします。