介護職員が行う「原則として医行為ではない行為」の研修の組み立て方——服薬の介助・血圧測定・爪切りなどの範囲と条件、令和7年12月の通知で加わった行為(2026)
更新日:2026-11-05・約18分で読めます
介護職員が行う体温や血圧の測定、薬の使用の介助(服薬の介助)、爪切り、ストマ装具のパウチにたまった排泄物の廃棄などは、厚生労働省の医政局長通知が「原則として医行為ではない」と整理した行為です。ただし、通知は行為ごとに条件を付け、病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には医行為とされる場合もあり得るとし、業として行う場合には実施者に一定の研修や訓練が行われることが望ましいとしています。この記事は、平成17年・令和4年・令和7年の3つの通知、平成23年のストーマ装具の回答、国の事業で作られたガイドライン、訪問介護の行為区分の通知、医師法・保健師助産師看護師法と介護保険の運営基準(e-Govの現行本文)を確かめ、通知に並ぶ行為、服薬の介助の条件、全ての行為に共通する条件、60分の時間割、記録に残すことを整理しました(2026年11月時点)。行為ごとの手技、個々の利用者が条件に当たるかどうかの判断(医師・歯科医師・看護職員が確認します)、喀痰吸引等そのもの、障害福祉サービスでの取扱い、介護報酬の加算は扱いません。
この記事に関連する無料キット・一覧
研修キット(レジュメ・確認テスト・記録様式)
まず結論:服薬の介助や血圧測定は「条件つきで」医行為ではないとされる行為。研修は通知が「望ましい」とし、事業者には安全に行われるよう監督することが求められる
医師法第17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定め、保健師助産師看護師法第31条は、看護師でない者が療養上の世話又は診療の補助(同法第5条)を業とすることを禁じています(医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合を除く)。厚生労働省の医政局長通知は、ここでいう医業を、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことと解したうえで、介護の現場で判断に疑義が生じることの多い行為のうち、原則として医行為ではないと考えられるものを列挙しています。
確認した介護保険の運営基準(平成11年厚生省令第39号・第37号)の本文に「医行為」の語はなく、この研修は、虐待防止・感染症などのように運営基準が名指しした研修ではありません。通知は、業として行う場合には実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましいことは当然であり、介護サービス等の場で就労する者の研修の必要性を否定するものではないとし、介護サービスの事業者等には、事業遂行上、安全にこれらの行為が行われるよう監督することを求めています(平成17年通知 注3、令和4年通知 注4)。研修の機会の確保は運営基準の求めです(例:介護老人福祉施設は第39号 第24条第3項、訪問介護は第37号 第30条第3項)。
- 3つの通知:①平成17年7月26日 医政発第0726005号(体温・血圧の測定、医薬品の使用の介助、爪切り、口腔内の清掃など) ②令和4年12月1日 医政発1201第4号「(その2)」(インスリン注射の準備・片付け、経管栄養の準備・片付け、在宅酸素療法、膀胱留置カテーテル、食事の介助など19の行為) ③令和7年12月26日 医政発1226第12号「(その3)」(お薬カレンダーへのセット、服薬の直前のPTPシートからの取り出し、いわゆる湿布の貼付、蓄尿バッグの接続)。
- ストーマ装具:平成23年7月5日の医政局医事課長の回答(医政医発0705第2号)は、肌への接着面に皮膚保護機能を有するストーマ装具について、専門的な管理が必要とされない場合の交換は原則として医行為に該当しないとする照会者の見解に「貴見のとおり」と答え、医師又は看護職員と密接な連携を図るべきとしています。
- ガイドライン:令和6年度老人保健健康増進等事業で作られた「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」(2025年3月)が、行為ごとの留意事項・観察項目・異常時の対応などをまとめ、厚生労働省のページに掲載されています。対象は平成17年通知・平成23年の回答・令和4年通知の行為で、令和7年12月の通知の行為は含まれていません(2026年11月5日に掲載ページで確認)。
- 「医行為ではない」は「誰が・いつでも行ってよい」ではありません。通知は行為ごとに条件を付け、病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には医行為であるとされる場合もあり得るとしています。
- 組み立て(当社の整理):①通知に並ぶ行為と、そこから除かれていること ②服薬の介助の条件と、自事業所の流れ ③全ての行為に共通する条件(専門的な管理が必要かどうかの確認・数値の範囲と報告・急変時の連絡) ④ヒヤリ・ハット等の事例の共有 ⑤記録と、次回までに直すこと。
- 書かないこと:行為ごとの手技、個々の利用者が条件に当たるかどうかの判断(医師・歯科医師・看護職員が確認します)、喀痰吸引・経管栄養の実施(「喀痰吸引等に関わる職員の研修の位置づけ」の記事でまとめています)、障害福祉サービスでの取扱い、介護報酬の加算。
根拠:通知に並ぶ行為と、そこから除かれていること
平成17年通知(法令等データベースの本文)、令和4年通知・令和7年通知(厚生労働省のPDF)、平成23年の回答(法令等データベースの本文)を取得し、列挙された行為を確かめました。行為の区分は当社の整理で、通知の書き方(「患者」など)は利用者に置き換えて要約しています。
| 区分(当社の整理) | 行為(通知の要約) | 出典 |
|---|---|---|
| 測る | 腋下の体温測定(水銀体温計・電子体温計)と外耳道の体温測定(耳式電子体温計)。自動血圧測定器による血圧測定。新生児以外で入院治療の必要がない人へのパルスオキシメータの装着。 | 平成17年通知 別紙1〜3 |
| 測る(追加) | パルスオキシメーターを装着し、動脈血酸素飽和度を確認すること。半自動血圧測定器(ポンプ式を含む)による血圧測定。持続血糖測定器のセンサーの貼付と測定値の読み取り。 | 令和4年通知 別紙16・17・4 |
| インスリン注射(在宅介護等の介護現場) | あらかじめ医師から指示されたタイミングでの声かけ・見守り、未使用の注射器等の手渡し、使い終わった注射器の片付け(注射器の針を抜き、処分する行為を除く)と記録。本人が測った血糖値が、医師から指示された範囲と合っているかの確認。本人が準備した注射器の目盛りが、指示された単位数と合っているかの読み取り。 | 令和4年通知 別紙1〜3 |
| 薬の使用の介助 | 皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)、皮膚への湿布の貼付、点眼薬の点眼、一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、肛門からの坐薬挿入、鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助。 | 平成17年通知 別紙5 |
| 薬の使用の介助(追加) | 水虫や爪白癬にり患した爪への軟膏又は外用液の塗布(褥瘡の処置を除く)、吸入薬の吸入、分包された液剤の内服の介助。お薬カレンダーへ一包化された等の医薬品をセットすること、服薬の直前にPTPシートから薬剤を取り出すこと、専門的な管理が必要無いことを医師若しくは看護職員が確認した皮膚にいわゆる湿布を貼付すること。 | 令和4年通知 別紙15、令和7年通知 別紙1 |
| 皮膚・爪・口・耳 | 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等への専門的な判断や技術を必要としない処置(汚物で汚れたガーゼの交換を含む)。爪そのものに異常がなく、周囲の皮膚に化膿や炎症がなく、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合の爪切り・やすりがけ。重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭。耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)。有床義歯(入れ歯)の着脱と洗浄。 | 平成17年通知 別紙4・注1①〜③、令和4年通知 別紙19 |
| 排泄 | ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること(肌に接着したパウチの取り替えを除く)。自己導尿を補助するためのカテーテルの準備・体位の保持など。市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器による浣腸。皮膚保護機能を有するストーマ装具の、専門的な管理が必要とされない場合の交換。 | 平成17年通知 注1④〜⑥、平成23年の回答 |
| 膀胱留置カテーテル | 蓄尿バッグからの尿の廃棄(DIBキャップの開閉を含む)、尿量と尿の色の確認、外れたテープのあらかじめ明示された位置への再貼付、専門的な管理が必要無いことを医師又は看護職員が確認した場合のみの陰部洗浄。蓄尿バッグの破損等で尿漏れを確認した時や外れた時に、医師又は看護職員の立会いの下で安全に行えることを事前に確認された実施者が、未開封・未使用の蓄尿バッグを接続すること。 | 令和4年通知 別紙11〜14、令和7年通知 別紙2 |
| 経管栄養・吸引器・在宅酸素・人工呼吸器の周辺 | 経鼻胃管栄養チューブを留めるテープが外れた・汚染した時の再貼付(皮膚に発赤等がない場合)。経管栄養の準備(注入する行為を除く)と片付け(注入を停止する行為を除く)。吸引器に溜まった汚水の廃棄と水の補充。在宅酸素療法での、装着していない状況での酸素流量の設定・準備・片付け、加湿瓶の蒸留水の交換などの環境整備、ずれたマスク等を元の位置に戻すこと(注1の条件)。体位変換時の、医師又は看護職員の立会いの下での人工呼吸器の位置の変更。 | 令和4年通知 別紙5〜10・注1 |
| 食事 | 食事(とろみ食を含む)の介助。 | 令和4年通知 別紙18 |
表は通知の文言を短くまとめたもので、通知に並ぶ行為を、どの利用者にも誰でも行ってよいという意味ではありません。行為ごとの条件(次の節)を必ず原文で確かめてください。経管栄養の準備・片付けでは、栄養チューブが胃に挿入されているかの確認、胃ろう・腸ろうの状態に問題がないことの確認、胃・腸の内容物から注入内容と量を判断することは医師又は看護職員が行うとされ(令和4年通知 別紙6)、在宅酸素療法の酸素吸入の開始・停止は医師、看護職員又は本人が行うとされています(別紙8)。浣腸器は、挿入部の長さが5から6センチメートル程度以内、グリセリン濃度50%、成人用で40グラム程度以下などの容量のものとされています(平成17年通知 注1⑥)。蓄尿バッグの定期的な交換は、医師又は看護職員が膀胱留置カテーテル・蓄尿バッグの両方を交換することとされています(令和7年通知 注6)。
服薬の介助の条件:通知の前提と、施設・訪問介護で確かめること
薬の使用の介助は、通知の中でも条件がいちばん細かく書かれた行為です。平成17年通知 別紙5と令和4年通知 別紙15は、次の前提がそろった場合に介助できるとしています。
- 利用者の状態が3つの条件を満たしていることを、医師、歯科医師又は看護職員が確認していること:①入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること ②副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと ③内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと(令和4年通知の③は「内用薬については誤嚥の可能性など」)。
- あわせて:免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人又は家族(等)に伝えていること、事前の本人又は家族(等)の具体的な依頼があること、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等により利用者ごとに区分し授与された医薬品であること、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の保健指導・助言を守ること。
- 令和7年通知 別紙1(お薬カレンダーへのセット・PTPシートからの取り出し・いわゆる湿布の貼付)も、介助ができることを医師、歯科医師又は看護職員が本人又は家族等に伝えていること、事前の具体的な依頼、処方を受け区分して授与された医薬品、処方・服薬指導・保健指導の遵守を前提としています。いわゆる湿布は、鎮痛・消炎に係る効能・効果を有する貼付剤(麻薬若しくは向精神薬であるもの又はステロイド外用剤等専ら皮膚疾患に用いるものを除く)とされ、PTPシートはハサミなどで1つずつに切り離さないよう留意することとされています。
- 令和7年通知 注2:抗血栓薬といった特に安全管理が必要な医薬品等、服薬の内容によっては、免許を有しない者が実施する際に注意すべきものや、医師、歯科医師、薬剤師又は看護職員による専門的な管理を必要とするものもあるため、免許を有する者が判断し、用法を守り、内容を確認することとされています。
- 施設で行う場合:福祉施設等で行われる場合には看護職員によって実施されることが望ましく、看護職員の配置がある場合には、その指導の下で実施されるべきとされています(平成17年通知 注5、令和4年通知 注6)。
- 訪問介護で行う場合:「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(老計第10号・平成30年改正後の本文)は、身体介護の「服薬介助」を、水の準備→配剤された薬をテーブルの上に出し、確認(飲み忘れないようにする)→本人が薬を飲むのを手伝う→後かたづけ、確認、としています。自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助として、直接介助は行わずに側で見守り、服薬を促すことも挙げています。サービス提供責任者は、把握した利用者の服薬状況などを居宅介護支援事業者等に提供することとされています(第37号 第28条第3項第2号の2)。
- 誤薬・与薬漏れ:厚生労働省老健局の「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン」(令和7年11月・印字38ページ)は、要因として確認不足、服薬業務とその他の対応が重なり慌ただしい状況、服薬業務のシステムがチーム内で統一されていないことなどを挙げ、多段階での確認、服薬業務中はその他のケアにあたらず専念すること、配薬準備と配薬時のそれぞれでの対策、飲み込んだかどうかまで確認することをマニュアルに定めることなどを示しています。
全ての行為に共通する条件:専門的な管理が必要かの確認、数値で判断しない、研修と監督
3つの通知の注は、言い回しが少しずつ違いますが、次の点が共通しています(平成17年通知 注2〜注6、令和4年通知 注2〜注6、令和7年通知 注1〜注7)。ガイドライン(総論の「通知上の条件」)も、行為を行う際に必ず確認するよう求めています。
- 医行為とされる場合:病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には医行為であるとされる場合もあり得る。このため、介護サービス事業者等はサービス担当者会議の開催時等に、必要に応じて、医師、歯科医師又は看護職員(令和7年通知は薬剤師も)に、専門的な管理が必要な状態かどうかを確認することが考えられる。病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、連絡を行う等の必要な措置を速やかに講じる。
- 数値で判断しない:体温・血圧・動脈血酸素飽和度・血糖値などの測定値を基に投薬の要否など医学的な判断を行うことは医行為で、事前に示された数値の範囲外の異常値が測定された場合には、医師、歯科医師又は看護職員に報告する(平成17年通知 注2、令和4年通知 注2)。インスリン注射と血糖測定の行為は、血糖値や食事摂取量等が不安定でないことが必要とされています(令和4年通知 注2)。
- 研修と監督:業として行う場合には実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましく、事業者等には安全に行われるよう監督することが求められる。令和4年通知と令和7年通知の前文は、行為の実施に当たって医師・歯科医師・看護職員(令和7年通知は薬剤師も)と連携することや、必要に応じてマニュアルの作成や医療従事者による研修を行うことが適当としています。
- 説明と相談:本人や家族に分かりやすく適切な説明を行い、介護職員等の行為について相談できる環境作りに努める。必要に応じて、サービス担当者会議の開催時等に相談する、書面等で指示を受ける、実施後に報告するなどして連携する(令和4年通知 注3は「望ましい」、令和7年通知 注5は「求められる」という書き方です)。
- 看護職員の実施計画:看護職員による実施計画が立てられている場合は、具体的な手技や方法をその計画に基づいて行い、結果を報告・相談して密接な連携を図る。
- 責任:この整理は医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等の解釈に関するもので、事故が起きた場合の刑法、民法等による刑事上・民事上の責任は別途判断される。
- ガイドラインの管理者の役割(総論 印字6ページ):ヒヤリ・ハットや事故の事例の共有と原因分析・再発防止策の検討、医療職の人員配置の検討、勉強会や研修などを実施する体制作りが望ましいとし、特に研修では、行為の具体を確認し、OJTを行うなど、利用者への安全を最大限考慮することが必要としています。賠償責任保険への加入などの対応策の検討にも触れています。マニュアルがない事業所は、ガイドラインを参考に医療職との連携の仕方や相談体制を検討し、マニュアル等を作成することが望まれるとしています(印字11ページ)。
60分の時間割:事業所内の研修(当社の整理)
この時間割は、通知に並ぶ行為を行う職員を対象にした事業所内の研修の例です。看護職員や連携先の医療職が講師を務めるか同席すると、令和4年通知・令和7年通知の前文がいう「医療従事者による研修」に近づきます(当社の整理)。研修を受けたことは、個々の利用者に行えることの根拠にはなりません。
| 区分 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 導入 | 5分 | 目的(通知の条件を、毎日の業務でどう守るか)、話し合いの約束(利用者が特定される情報を出さない)。 |
| 講義 | 15分 | 医業・医行為の考え方(通知の前文)。上の表の行為と、除かれていること(褥瘡の処置、肌に接着したパウチの取り替え、注射器の針を抜き処分する行為、経管栄養の注入と停止、酸素吸入の開始と停止など)。全ての行為に共通する条件。令和7年12月の通知で加わった行為。 |
| 自事業所の決まり | 15分 | 誰がどの行為を行うか、看護職員の確認と本人・家族への説明の記録。服薬の介助の流れ(配薬準備・配薬・服薬の確認)と、服薬業務中に他の対応を頼まないこと。看護職員の実施計画と指示の書面。測定値の範囲と報告先。急変時に誰へどの順で連絡するか。 |
| 事例の共有 | 15分 | ヒヤリ・ハット等の事例(誤薬・与薬漏れ、測定値の報告の遅れなど)を、利用者が特定されないように加工して共有し、起きた場面・連絡の流れ・手順書で直す所を話し合う。手技の確認は、看護職員等の指導の下で別に行う。 |
| まとめ | 10分 | 直すことを1つ決める、確認テスト、実施記録。 |
時間割は当社の整理で、法令・通知に定めはありません。行為ごとの手技・観察項目・異常時の対応は、ガイドラインの第2部(各論)と自事業所のマニュアルを、看護職員等と確かめてください。令和7年12月の通知の行為は、確認したガイドライン(2025年3月)に載っていません。
記録に残すことと、よくある抜け
確認した3つの通知の中で記録に触れているのは、インスリン注射の行為の一部としての「記録を行うこと」(令和4年通知 別紙1)だけで、研修の記録についての定めはありません。研修の記録と、事業所の決まりとして残しておくとよいもの(当社の整理)を分けました。
- 研修の記録(当社の整理):日時、参加者、講師(医療職の参加の有無)、扱った通知と自事業所の手順、事例から決めた直すこと、確認テストの結果。研修の記録の項目は「介護の研修記録の書き方」の記事でまとめています。
- 事業所の決まりとして残すもの(当社の整理):利用者ごとに、医師・歯科医師・看護職員が条件を確認したことと本人・家族への説明、事前の依頼、看護職員の実施計画や書面の指示、測定値の範囲と報告先。
- 確認テストの例(当社の整理・○×):「通知に並ぶ行為でも、病状が不安定で専門的な管理が必要な場合は、医行為とされる場合がある」(○)、「事前に示された範囲外の血圧が測れても、本人が元気そうなら報告しなくてよい」(×)、「服薬の直前にPTPシートから薬を取り出す時は、ハサミで1つずつに切り離しておくとよい」(×)、「福祉施設で服薬の介助を行う時、看護職員の配置があれば、その指導の下で行う」(○)、「膀胱留置カテーテルの蓄尿バッグの定期的な交換は、介護職員が行う」(×)。
- よくある抜け(当社の整理):マニュアルが令和4年・令和7年の通知に合わせて更新されていない/誰がどの利用者に行うかが、看護職員等の確認や本人・家族への説明と結びついていない/測定値の範囲と報告先が決まっていない/服薬業務中に他の対応を頼んでいる/通知の行為を「誰にでも行ってよい」と取り違えている/研修を受けたことを、個々の利用者に行える根拠と取り違えている。
- ヒヤリ・ハットの報告書の書き方は「介護のヒヤリハット報告書の書き方」、事故の報告は「介護事故報告書の書き方」、急変時の連絡手順は「介護の緊急時対応マニュアルの作り方」の記事でまとめています。
この記事で確認した一次資料
2026年11月5日に、次の資料の本文を取得し、該当箇所を確かめました。法令や国の資料は改訂されます。個々の利用者が条件に当たるかどうかは、医師・歯科医師・看護職員に確認してください。運用について都道府県・市町村が独自に示していることがあるため、指定権者にもご確認ください。本記事は法的助言・医療上の助言ではありません。
- 法律(e-Gov法令API):医師法(昭和23年法律第201号)第17条、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第5条・第31条。
- 省令(e-Gov法令API):平成11年厚生省令第39号・第37号の本文で「医行為」の語がないことと、研修の機会の確保(第39号 第24条第3項、第37号 第30条第3項)、サービス提供責任者の業務(第37号 第28条第3項第2号の2・第7号)を確かめました。
- 通知:平成17年7月26日 医政発第0726005号(厚生労働省 法令等データベースの本文)、令和4年12月1日 医政発1201第4号、令和7年12月26日 医政発1226第12号(厚生労働省「原則として医行為ではない行為について」のページに掲載のPDF)、平成23年7月5日 医政医発0705第3号・第2号(法令等データベースの本文)。
- ガイドライン:令和6年度老人保健健康増進等事業「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」(2025年3月・総論)。厚生労働省老健局「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン」(令和7年11月・誤薬・与薬漏れの節)。
- 訪問介護:「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(老計第10号)の平成30年改正(老振発0330第2号)の新旧対照表の改正後の本文。
- 未確認:ガイドライン(総論)が服薬の介助の注意喚起として挙げる「老人福祉施設等における医薬品の使用の介助について」(平成26年10月1日)の本文は、厚生労働省の掲載先を確認できなかったため、この記事では扱っていません。
この記事を書いたチームは、note でも介護の仕事で考えたことを書いています。note をフォローする
出典(一次資料)
- 医師法(昭和23年法律第201号)第17条
- 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第5条・第31条
- 厚生労働省 法令等データベース「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」(平成17年7月26日 医政発第0726005号 厚生労働省医政局長通知)の本文
- 厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その2)」(令和4年12月1日 医政発1201第4号・PDF)
- 厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その3)」(令和7年12月26日 医政発1226第12号・PDF)
- 厚生労働省 法令等データベース「ストーマ装具の交換について」(平成23年7月5日 医政医発0705第3号 厚生労働省医政局医事課長通知・同日付 医政医発0705第2号の回答)の本文
- 厚生労働省 令和6年度老人保健健康増進等事業「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」(2025年3月・株式会社日本経済研究所・厚生労働省掲載のPDF)
- 厚生労働省「原則として医行為ではない行為について」(3つの通知とガイドラインの掲載ページ)
- 厚生労働省老健局「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン」(令和7年11月/介護保険最新情報 Vol.1436 令和7年11月7日の別添・PDF・2026年11月4日確認)
- 厚生労働省老健局振興課長通知「「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について」(老振発0330第2号・平成30年3月30日・老計第10号の新旧対照表=改正後の本文・PDF)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、当社の損害賠償責任は、故意・重過失を除き購入代金の額を上限とします。